■イラク・クルド〜ペシュメルガから軍組織へ
![]() 【PDK(クルディスタン民主党)のペシュメルガ】 |
フセイン政権下、ゲリラ組織として山岳地帯を拠点にイラク軍と戦ってきたペシュメルガ。「死に直面する者」を意味し、クルドの戦士は勇猛果敢で名を馳せた。90年代後半にはPDK(クルディスタン民主党)とPUK(クルディスタン愛国同盟)各派のペシュメルガが激しい内戦を繰り広げた。クルドとイラクの状況は大きく変わった。
イラクのペシュメルガをどう表現するか。私はかつて他メディアの表記を参考に、「民兵組織」と記事のなかで使ったことがある。欧米メディアでもこれまで「militia」(ミリシア)とされることが多かった。フセイン政権と戦ったペシュメルガはクルド人にとっては民族の解放軍のような存在である。戦後のイラクで、民兵のイメージは変わった。シーア派政党が独自の民兵組織を強化させ、宗派抗争の現場で暴力行為を繰り返すなかで、民兵(ミリシア)という言葉は、「無法な私兵集団」という意味に変わりつつある。マスード・バルザニクルディスタン地域大統領やネチルバン・バルザニ首相は、ペシュメルガが民兵と呼ばれるのを強く拒否している。
![]() 【イラク軍への再編訓練を受けるPUKのペシュメルガ】 |
かつてフセイン政権からムハラビーン(破壊者)と呼ばれたペシュメルガ。いま、このムハラビーンという言葉は武装勢力に対して使われる。
今後、クルド地域内の防衛機構としてのペシュメルガは維持し、洗練された独自軍への転化をクルド自治政府は目指している。
イラク・クルド地域にはイラン・クルド組織のペシュメルガキャンプがある。アメリカのイラン攻撃は間近いともいわれるなか、クルド・ペシュメルガが再び大きな役割を果たすのは間違いない。
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イラク・トルコ・イラン・シリアにまたがるクルディスタン。分断民族クルド人とは。クルド問題とその他の地域も取材中(坂本卓/アジアプレス)





