■イラク越境 PKKゲリラ拠点への空爆はあるか?(1)
「明日にもイラクのPKKキャンプに越境軍事攻撃」といったような話が連日、トルコから流れてくる。トルコ軍当局者が、テヘランでイラク・イラン国境付近のPKK拠点空爆についてイランの了解をえたとも伝えられる。だが、トルコ側の大騒ぎに比べて、イラク政府側は「主権侵害行為は認めない」とするだけで、メディアはさほど大きな扱いをしていない。
イラク政府は過激なイスラム武装勢力にくわえ、宗派抗争で手一杯だ。アメリカは、PKKに武装解除を迫る一方、トルコがイラクやクルド自治政府を刺激するような挑発行為も歓迎してはない。
かつてトルコ軍と共同作戦をおこなったPDK(クルディスタン民主党)、そして支配地域争いで衝突したPUK(クルディスタン愛国同盟)の双方とは敵対関係にあったPKKだが、今はその「戦争」も終結し、均衡が保たれている。
PKKは、イラク・クルディスタン地域内でPÇDK(クルディスタン民主解決党)という合法政党をつくり活動しているが、PDK、PUKの2大政党が支配するイラク・クルドにおいて政治的支持基盤はほとんどない。
PDK、PUKの高官と話す際、折にふれ、PKK対策についてもきいてきたが、「政治的解決がベスト」と皆、口をそろえる。実際に、両派ともPKKとは秘密裏に接触をかさねているものの、性急さは感じられない。イラク戦争後、PKKをイラクで合法組織に転換させ、武装解除させよう画策した両派だが、アブドラ・オジャランの実弟、オスマン・オジャランやニザメティン・タシュら一部指導層がいくばくかのゲリラとともにPKKから抜けただけで、結果的には失敗に終わっている。
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イラク・トルコ・イラン・シリアにまたがるクルディスタン。分断民族クルド人とは。クルド問題とその他の地域も取材中(坂本卓/アジアプレス)




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