■PKKがイラクで「活動禁止」に (1)
![]() 【トルコ軍の越境空爆が予想され緊張するイラク・トルコ・イラン国境が交わる山岳地帯。山向こうはトルコ。対空機関砲を構えるPKKゲリラ(ハクルク前線で)】 |
19日、イラク政府は、PKKのイラクでの活動禁止措置を発表した。CNNはイラク政府スポークスマンの話として「トルコや周辺国との良好な関係を維持するため、国内のPKK関連機関を閉鎖することをイラク政府が決定」と伝えた。PKK関連機関とは、具体的には、PKKがイラクで設置している合法政党PÇDK(クルディスタン民主解決党)のことと思われる。
これに先立つ8月23日、PKK中央委員のムラット・カラユランはカンディルキャンプに記者を集めて会見を開き「アメリカとも交渉の用意はある」とした。「PKKが現在の場所からいなくなれば、アル・カイダやアンサール・イスラムなどテロ組織の根拠地になる。我々はイラクのテロ組織の防波堤だ」と語っている。
アメリカがテロ組織と規定しているPKKが、アメリカの「テロとの戦い」に貢献していること強調するのは、かなり無理がある。今回の活動禁止措置を見越した会見だったと思われるが、PKKもかなり焦っているのではないか、と感じた。
このかん、PKKキャンプには攻撃が連続している。
8月18日にはイラン、イラクと国境を接する地帯にイラン側から砲撃が加えられ、8月26日にはトルコ軍機が、同地区を限定空爆したと伝えられた。イラク政府は、越境を非難する声明を一応は出したものの、イラク領を拠点にイラク、トルコにゲリラ攻撃をかけるPKKにも自制を促してきた。「イラクを他国攻撃の拠点とすることを認めない」として下された今回のPKK禁止措置は、一応、建前としてはトルコの主張をそれなりに受け入れたことになるだろう。
だが、宗派、民族の代表政党が連立するイラク政府は、一枚岩ではない。イランやトルコに対する外交政策でも一致しないこともしばしばだ。ジャファリ移行政府首相が新政府発足の際、マリキ首相にすげ替えられたのは、日本のメディアが報じたような、ジャファリがサドル派の影響を受けている、などというのが最大の理由ではない。
ジャファリがタラバニ大統領の許可を得ずにトルコを訪問し、勝手な外交をしたから、が真相と言われる。激怒したタラバニは、のちに「ジャファリがトルコと交わしたいかなる合意も無効」という趣旨の声明をわざわざ出している。(続く)
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イラク・トルコ・イラン・シリアにまたがるクルディスタン。分断民族クルド人とは。クルド問題とその他の地域も取材中(坂本卓/アジアプレス)




