■PKKがイラクで「活動禁止」に(2)
![]() 【PKK支配地域に撃ち込まれたイラン軍の砲弾(フネレ前線で)】 |
今回の、「イラク国内でのPKK関連事務所閉鎖」決定をどう見るか。PKKがイラクという拠点を失えば、行き場がなくなることを意味する。だが、これには「抜け道」が用意されている。この措置は「PKKのイラク国境地帯からの排除」を意味するものではなく、都市部でのPÇDKの活動を対象としたものである。
「武装勢力を扇動している」としてアル・ジャジーラが2004年、イラクでの活動禁止措置を下されたが、クルド地域は中央政府の措置は及ばないということで、現在も活動を続けている。PÇDKは、実際にはイラクではほとんど活動実態はなく、イラク・クルド地域での活動がメインだ。
クルド人の支持基盤がない上に、モスルやバグダッドではスンニ派武装勢力に攻撃対象とされてきたからだ。そしてPÇDK自体、クルド地域で大きな支持は得ておらず、禁止措置も実質上、意味をなさないものとなろう。
「イラクでPKKの活動禁止措置もクルド地域は例外とするなら何の意味もない」トルコメディアのなかには、すでにこうした動きを見抜いて報道してる記事も見受けられる。
イラン・クルドの政党コマラやKDPI(クルディスタン民主党イラン)はタラバニのPUK支配地域で公然とキャンプを維持し、数百名規模の武装部隊を保有、イランでの「有事」に備えている。PKKだけ活動禁止とすると筋が通らなくなってしまう。今回のPKK活動禁止も、そしてその暗黙の「逃げ道」も、こうしたバランスのなかで進められているといえる。
トルコとの関係でイラクが重要視するのは、PKK問題よりも、キルクーク問題だ。キルクークのクルド帰属問題が焦点化するなか、トルコは帰属阻止にむけて必死だ。トルコ政府は、越境攻撃の目的はPKKゲリラキャンプ掃討だけである、としているが、「トルコの狙いはPKKよりも、イラクの不安定化であり、キルクーク問題への干渉だ」という論調が、クルドだけでなくイラクのメディアにも現れはじめだした。
政治的に焦っているのはPKKだけではない。むしろトルコの焦りのほうが大きいのではないだろうか。
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イラク・トルコ・イラン・シリアにまたがるクルディスタン。分断民族クルド人とは。クルド問題とその他の地域も取材中(坂本卓/アジアプレス)





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