■PKKとTAK「クルディスタン自由の鷹(タカ)」
![]() 【トルコの都市部や観光地であいつぐTAKの爆弾事件はなにを意味するのだろうか】(FILE/トルコ・イスタンブール/撮影:坂本卓) |
「クルド過激派が爆弾事件」と報じられた。クルド関連の記事がほとんど載ることがない日本の新聞だが、28日付けの日本の新聞各紙に、トルコ各地での連続爆弾事件の記事が載っていた。日本の新聞では、「PKKと見られるクルド過激派の犯行」という表現が多いようだ。
一連の事件はTAKという組織によるものだ。PKKではない。「クルド過激派」とひとまとめにして、TAKとPKKを混同して使っている。だが、これは○でもなく、×でもない。△なのだ。
TAKとは「Tayrbazen Azadiya Kurdistan」(テイルバゼン・アザディヤ・クルディスタン)=「クルディスタン自由の鷹」を意味する。(またはTayrenbaze Azadiya Kurdistan)
テイルバズは鷹のほかにハヤブサと訳してもいいかもしれない。この組織はいったい誰なのか。何を目指しているのか。
今回の事件は、25日にトルコ軍がイラクに部分越境して空爆を加えた事件の直後だけに、PKKとの深い関与が疑われた。しかし、PKKは、これまで、この組織やその事件との関連を否定してきた。また、PKKはTAKの無差別爆弾事件などの行為を非難する声明もだしている。公式にはまったく別組織だ。
TAKが登場したのは、2004年といわれる。当初は、「警告行動」として、トルコ国内各所に殺傷力の低い爆弾を使った爆破事件をおこしていたのだが、リゾート地チェシメで20人の民間人が死亡した事件(2005年7月)以降、爆発物の威力があがる。その後、銀行ATM、バス、インターネットカフェなどターゲットは無差別化していった。
一連の事件で、トルコ政府はクルド政策を変えるどころか、「わが国にはクルド問題が存在するのではなく、テロ問題が存在している」とする従来の見解を補強する結果を招いてる。
TAKとPKKは関係があるのか。以前、PKK最高中央委員のドゥラン・カルカンに、この質問をぶつけたのだが、釈然としない顔のまま、答えがかえってきた。
「もともとPKKゲリラだった者たちがTAKのメンバーにいるのは否定しない。だが、まったくの別組織で、PKKとはなんの関係もない。彼らは、トルコ政府がクルド人に加えた攻撃の復讐を誓った者たちで、我々はなんの力も及ばない」
たとえPKKが「TAKと関係ない」と強調したとしても、元PKKゲリラがTAKにいることはPKKも認めている。PKKゲリラの規律は他のどの組織よりも厳しい。たとえ「PKKを脱退した」メンバーであっても、好き勝手に爆弾事件を起こし、PKKが政治的に不利となる行動はしないのではないだろうか。
PKKはこれまで自派から政治的に分派したグループは、ときには暗殺という手段すら使い、徹底的に粉砕してきた。
だが、TAKについては「非難」はすれども、具体的な対応はとってはいない。TAKは、その声明のなかで、HPG(人民防衛隊=PKKのゲリラ部隊)の活動を「十分ではない」と批判する一方、「アポ(オジャラン)万歳!」とする。そして文章にはPKKが好んで使う言い回しを多用する。PKKの別働部隊である、と、クルド人はある程度、共通認識として持っている。(続く)
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イラク・トルコ・イラン・シリアにまたがるクルディスタン。分断民族クルド人とは。クルド問題とその他の地域も取材中(坂本卓/アジアプレス)





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