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季刊誌 北朝鮮内部からの通信〜リムジンガン 第2号・夏号
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ico_new2.gif北朝鮮不動産取引の怪 リムジンガン
〈解説〉住宅闇市場と横行する不正腐敗 1
朝鮮において、国家による住宅供給制度は、既に一九八〇年代から不正腐敗にまみれながら崩れていったといわれる…

ico_new2.gif市場の民衆たちがもつ「統一」のイメージ [民衆の暮らし]リムジンガン
党と国家の宣伝教化によって形成され、学者や教員、作家、記者らを通して植えつけられた住民たちの統一観は、かつては次のようなものだった…

ico_new2.gif北朝鮮―08年食糧危機の実態と背景を探る 5(リュウ・ギョンウォン)リムジンガン
5 一九九〇年代後半の食糧危機との違いと共通点
これまでにも少し触れたが、一九九〇年代の食糧危機は当初、労働者地区と都市で発生した…

ico_new2.gif北朝鮮―「ジャガイモも米だ」[ことば] リムジンガン
会議場の室内温度計の水銀柱が久しぶりに二度を示している。 なぜかこの地方に、突然、中央党からの講師がやってきて、幹部講演会を行うという非常召集令が下ったため…

北朝鮮―08年食糧危機の実態と背景を探る 4(リュウ・ギョンウォン)リムジンガン
4 食糧危機の原因となった施策
一党独裁政治の朝鮮におけるさまざまな危機発生には、党と政府のそれぞれの問題が複合的かつ無秩序に絡み合い影響を及ぼしている…

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大村一朗のイラン現地報告 `テヘランの風`6

<レバノン戦争とイラン 〜イスラムの大義に揺れる大国〜>
その1 志願する若者たち

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【学生組織によって張られたポスター。「レバノンの虐げられた信仰深い勇敢な若者たちの固い拳が、今、侵略者たちの醜い顔に振り下ろされ、彼らの硝子のような自尊心が打ち砕かれている」】

レバノン戦争に対する安保理決議が審議されている最中、テヘラン中心部にあるテヘラン大学の正門前では、保守派学生たちによるイスラエルへの抗議集会が開かれていた。特設ステージの上から学生が気勢を上げると、手にレバノン国旗やレバノンのシーア派組織ヒズボラの黄色い小旗を手にした聴衆からどよめきのようなシュプレヒコールが上がる。


「アメリカに死を!イスラエルに死を!イギリスに死を!」


ステージの袖から二人の学生がそれぞれアメリカ国旗とイスラエル国旗を持ち出してくると、それまで周囲を取り巻いていたメディアのカメラが一斉に彼らを取り囲んだ。お決まりの国旗炎上の儀式である。最初からアルコールでも含ませてあるのか、二枚の国旗は瞬く間に灰と化した。


集まっているのは主にバスィージと呼ばれる動員組織(革命防衛隊の下部組織でもある)のメンバーや、バスィージや宗教系団体に所属する保守派学生である。主催団体には10以上の団体名を連ねてあるが、夏休みでほとんどの学生が地方に帰省しているためか、聴衆はせいぜい5、60名といったところだ。しかし、壇上の学生は大群衆に語りかけるかのような絶叫で、声明文を読み上げる。


「一つ! 我々はイスラム共同体、特にイラン国民と政府に対し、迫害下にあるレバノン国民への全面的支援、とりわけ財政的、軍事的支援を、出来うる限り行うよう要請する。一つ! 我々学生たちはヒズボラ戦士たちの隊列に加わる準備が出来ており、各大学の専門家はレバノン再建のため全面的な支援を行う準備が出来ていることをここに宣言する。一つ! 我々は……」


イスラエル軍によるレバノン侵攻が始まってからというもの、義勇兵としてヒズボラの抵抗運動に身を投じようというイラン人学生の姿を、新聞などで幾度か目にした。全国に「レバノン志願兵派遣」のための登録本部が設けられ、登録用紙に必要事項を書き込む学生の姿が報じられた。


新聞の報道によれば、登録用紙にはいくつかの質問が書かれているという。「アラビア語の知識はあるか」、「どのような武器を扱えるか」、「どのような領域で、レバノンの同胞たちを支援することが可能か」などの質問である。異国の戦争に自ら身を投じようという学生達の存在にも驚きだが、それ以前に、彼らは果たして戦地で役に立つのだろうかという疑問が先に立つ。イランでは学生は卒業後まで兵役を猶予されているからだ。


「なあに、用紙に名前だけ書いてそれで終わりさ。なかには本気なやつもいるかもしれないけどな」

自分も17歳の息子がいるというタクシー運転手は、志願兵のニュースをそんなふうに笑い飛ばす。


−もしあなたの息子さんが志願兵としてレバノンに行きたいと言ったら?

「まだ徴兵前だから行っても何もできやしないさ。それでも行きたいって言うんなら、行かせてやるよ。同じイスラム教徒を助けるためだ」


イスラム教徒には「防衛ジハード思想」というものがある。イスラム教徒の住む地域を「イスラム共同の家」ととらえ、異教徒がそこへ攻撃をしかけた場合、たとえ遠く離れていようとイスラム教徒は同胞を助けるべく「ジハード(聖戦)」に赴くか、武装闘争を物理的に支援しなければならない。アフガニスタンへのソ戦侵攻と米軍による空爆、イラクにおける駐留英米軍、あるいはチェチェン、パレスチナ、カシミール……、それら「異教徒によるムスリムへの虐殺」に対し、外国から多くの「義勇兵」が参加したのは、この防衛ジハード思想によるものである。(つづく)