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季刊誌 北朝鮮内部からの通信〜リムジンガン 第2号・夏号
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ico_new.gif北朝鮮―映像取材ルポ 平安北道朔州(サクジュ)郡を行く 2 リムジンガン
[解説]辺境の軍需産業都市は寂獏としていた(承前)
実際に訪れて見てみると、金正日の論文で強調されていた、こぢんまりして上品な地方産業は影が薄く第二経済委員会傘下にあり、大口径の曲射砲を生産する…

ico_new.gif偽ドル[北朝鮮のことば] リムジンガン
平壌市の黄金原(ファングムボル)駅とキョンフン通り周辺の外貨商店(外貨でのみ販売する店)も、すっかり夜の闇に包まれた。いつしか人影も途絶え、もう両替をしに来る客もいそうにない…

ico_new.gif北朝鮮―「私は政治犯収容所に10年いた」 リムジンガン
北倉(プクチャン)18号管理所出所者の証言 12
「第18号管理所」事件
 ●事件の発端「申訴事件」(承前)
申訴者を放っておいたら自分たちが危ないということをよく知っているXの一派は、検閲員がテープを手に入れて平壌へと戻るやいなや…

ico_new.gif北朝鮮―「表現の自由、言論の解放が必要です」[若者の声] リムジンガン
23歳青年が考える祖国の発展の条件 1
朝鮮北部で暮らすキム・ギファン(仮名、二〇〇八年七月現在二三歳)は、中学生だった一八歳の時に金属の売買をしていたが、これが違法行為として保安署に逮捕され…

ico_new.gif北朝鮮経済官僚極秘インタビュー リムジンガン
我が国の経済動向 12
外の世界の知識や情報の欠如
今日の経済的な問題点は、言論や学問の自由がないことに帰結するのだろうか?
ケ・ミョンビン:現在明らかなことは、国内経済難の打開も改革も…

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坂本卓のクルディスタン日誌〜イラクは「ベトナム化」しているのか 1 (2006/11/15)

イラクは「ベトナム化」しているのか 1
APN_saka_061115a.jpg世界各地で「米軍イラク即時撤退」を求める声が高い。米軍が占領を終え、イラク人のイラクになることには賛成だ。米軍のイラク侵攻から現在に至る過程で、多くの市民が犠牲となってきた現実をいくつも見てきた。アメリカの大量破壊兵器の捜索は、いつのまにか「テロとの戦い」に変わった。

無限の暴力のなかにいきなりたたきこまれたイラク人。人びとは行き場を失い、疲れ果てている。だが、あえていう。今のイラクを見れば、即時撤退は、「無責任」な主張だと思う。

いま撤退すれば、イラクはさらに地獄になる。スンニ派、シーア派双方の武装勢力が活動を続け、誘拐や強盗も野放しだ。バグダッドなどでは警察は十分に機能していない。イスラム諸政党は「反米」を訴えデモをしているが、じつのところ、米軍でもなんでもいいからとにかく治安回復をしてくれ、というのが多くの市民の本当の気持ちだ。

イラク人の反米抵抗組織としての武装勢力は実際に存在するし、私自身、スンニ、シーア両派のイラク人青年たちの組織と何度も接触した。家族を米軍に殺された怒り、占領への抵抗として武装勢力に参加した若者が少なくなかった。

しかし、いま、武装勢力といっても、ベトナムのような民族解放闘争とは性格も大いに異なる。スンニ派組織には義勇兵の外国人が入り込み、シーア派はサドル師支持のマハディ軍が勢力を伸ばす。掲げるのは「イスラムの大義」だ。だが、実際の局面では、「イラクの不安定化」を企図する周辺国の武器などの援助を受ける組織もあり、最近は、「アメリカが悪い」ではなく、シリア、イランが武装勢力をあおっている、という声が市民のあいだに多くなった。

いま普通の市民は、占領はいつかは終わらせてほしいとは思っていても、武装勢力が政権をとるなら、アメリカのほうがましだと思っている。これは占領に屈服するということではなく、復興さえできれば、イラクは誇りを取り戻し、再び立ち直ることができるという心情ももっているからだ。「アメリカは許せない」と思っている人たちの間でも、こうした意見をよくきいた。

なんの代案も解決策も示さず「米軍即時撤退」を掲げるのは、イラク人のことを本当に考えていると言えるのだろうか。アメリカを批判したいがために、イラク情勢を都合よく持ち出しているとも誤解されかねない。

「人の家に入り込んできて、家を荒らしはじめた者がいた。これ以上、家具や家を壊されるのはゴメンだった。だからすぐに出て行ってほしいと言った。しかし彼は家具だけでなく、私の家族も壊した。壊したものはきちんと元通りにしてから出て行ってほしい」

そう言った老人がいた。私は、この言葉を何度も思い出す。アメリカ中間選挙で、民主党が票を伸ばしたことを受けて「ブッシュのイラク政策の破綻が明らかとなった」「アメリカ人もブッシュにNOと言った」などと勝ち誇ったように主張する市民団体もあるが、ちょっと待てよ、と言いたい。

かつてブッシュが再選を果たした2004年の大統領選は、ファルージャで市民に多数の犠牲が出たあとのことだ。すでにイラクは混乱に陥り、反占領のうねりが広がっていたが、アメリカ国民はブッシュを選んだのだ。

一部の市民運動は別にして、イラク政策を問うアメリカ人の声のほとんどは、[自国兵士に多数の犠牲が出ているから]というものだ。「イラク人にこんな災いをもたらしてごめんなさい」と反省して、撤退論議がでているのではない。逆にいうと、米兵に犠牲がでなければ、中間選挙でイラク政策は争点とはならなかっただろう。

米軍が、武装勢力の攻撃に苦しんでいる状況を、ベトナムの泥沼化と重ね合わせる人もいる。
世界最強の装備を誇る米軍を苦しめているのは、核弾頭でも衛星誘導兵器でもない。兵士は、路肩のゴミ箱に置かれた手作りの粗末な爆弾に吹き飛ばされ死んでゆくのだ。このイラクで米軍が軍事的な苦戦を強いられているのは確かだ。

しかし、石油利権はアメリカがガッチリと押さえ、バグダッドの元大統領宮跡には、世界最大級のアメリカ大使館がそびえる。いくつもの米資本の会社が民間軍事会社の武装警備兵に守られ、次々と事業を受注している。最後には手を引かざるをえなくなったベトナムとはまったく状況が異なる。たとえブッシュが辞めようと、民主党が勝とうとも、アメリカがイラクの石油利権を手放すことはない。

現在15万人ほどいる米兵は、今後、段階的に縮小されていく予定というが、これはアメリカの戦争敗北を意味するのではない。米軍の訓練を終えたイラク軍が、米軍にかわって投入され、アメリカは、自国兵士の血を流すことなく、莫大な石油利権を手にすることが出来る。
(続く)

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イラク・トルコ・イラン・シリアにまたがるクルディスタン。分断民族クルド人とは。クルド問題とその他の地域も取材中(坂本卓/アジアプレス)