![]() 【アルメニア人虐殺事件を追ったScreamers】 |
知り合いのプロデューサー、カーラ・ガラペディアンが、映画を監督し、作品を完成させた。
Screamers と題された映画のテーマは「アルメニア人虐殺問題」。
オスマントルコ時代の帝政末期、いまのトルコ南東部一帯でオスマン・トルコ軍が、アルメニア人をの迫害し、集団虐殺を行った事実を告発する映画だ。しかし、それを歴史モノと描くのではなく、システム・オブ・アダウンというスピードメタルバンドのアルメニア系アメリカ人メンバーたちの姿を追いながら描いていく。
19世紀末から20世紀はじめにかけて起きたアルメニア人虐殺の犠牲者は100万に及ぶともいわれる。トルコは、戦乱のなかで民間人も犠牲とはなったが集団虐殺の事実は無かった、と一貫して否定している。
トルコにおける問題は、こうしたことを歴史として検証し、語ることすらタブーであることだ。この映画がアルメニア人虐殺問題にあらためて光をあてることになれば、と願う。
カーラさんはアメリカ人であるが、祖父母はアルメニア人としてトルコ南東部で暮らしていた。オスマン・トルコによるアルメニア人迫害から逃れるために、アメリカにわたった。
![]() 【アフガニスタンを取材中のカーラさん(写真中央)。まわりにいるのはガズニ州治安部隊兵士】(2002年/撮影:坂本卓) |
カーラさんは以前、BBCの局アナを勤めていた。アメリカ英語バリバリの彼女なんであるが、担当していたのはBBC/WORLDのニュース。自分自身で番組をディレクションしてみたいという思いから、フリーとしてディレクターに転じ、中朝国境、イランなど取材をしてきた。
イギリスのテレビ番組の制作のため、2002年、カーラさんと私と玉本英子のチームでアフガニスタンにむかった。9・11以後のアフガニスタンの女性たちの姿を追う番組で2ヶ月近く一緒に各地を取材してまわった。
「タリバン政権が崩壊したのになぜ女性は自由になったと感じていないのか」「アメリカがもたらそうとした自由とはアフガン人にどういう意味をもつのか」
アメリカと日本と別の場所で、アフガニスタンを見たときの「温度差」のようなものを彼女と取材をしながら感じたし、ときには意見が衝突したこともあった。
山道で山賊に銃を突きつけられたり、カンダハルではタリバンのオマル師の家にいったり、ビンラディンの建立した超巨大モスクに"感動"したり、米軍車両に追跡され包囲されて半泣きで帰ってきたり、となんだか、いまとなっては"楽しい"思い出である。
日本でも上映したい、というカーラさんだが、残念ながら、Screamers の日本での公開予定はまだない。DVD販売も、システム・オブ・ア・ダウンが出ていることもあり、それなりの購買層はあるだろうが、もうすこしバンド演奏を見せる音楽ドキュメンタリーにシフトしてないと日本では売れないだろう、というのがプロモーターの判断だそうだ。
システム・オブ・ア・ダウンもカーラさんも、アルメニア人虐殺という難しい問題を若い世代に伝わるメッセージとして伝わる作品を作りたかったのであり、音楽ドキュメンタリーを作ったわけではないのだが、日本では硬いドキュメンタリーへの関心自体が低いのが現実である。
いずれ日本で上映されることを期待してやまない。
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イラク・トルコ・イラン・シリアにまたがるクルディスタン。分断民族クルド人とは。クルド問題とその他の地域も取材中(坂本卓/アジアプレス)






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