![]() 【緊張するトルコとの関係について会見で記者の質問に答えるネチルバン・バルザニ首相】 |
14日、イラク・クルディスタン地域政府議会でネチルバン・バルザニ首相とアドナン・ミフティ議会議長の会見には、トルコメディアだけでなく、アラブ系メディア、BBCや米FOXニュース記者らが詰めかけた。矢継ぎ早にPKK(クルディスタン労働者党)に関する質問を浴びせる。トルコ軍がイラク越境攻撃を準備し、緊張が極度に高まっているのだ。
「イラク・クルディスタン内のPKKが問題なのではなく、トルコ側に問題がある」とネチルバン・バルザニ首相は言明した。先週、マスード・バルザニ地域政府大統領も、PKKと越境攻撃問題とキルクークのクルド地域帰属問題へのトルコの介入を絡めたスピーチをおなうなど、トルコの動きをけん制している。
クルド側は、トルコの圧力をこう見ている。
1つは、トルコで5月に予定される大統領選挙にあわせて、トルコ軍が政治的意図で緊張を高めている、というものだ。これまでも触れてきたが、トルコは、Derin Devlet=奥深き国家と呼ばれるほど権力内部が複雑だ。EU入りを目指す勢力、軍の権力を維持したいケマリスト勢力、イスラム勢力…。いくつもの勢力が互いに反目しあいながら駆け引きを続けてきた。
穏健イスラム政党のエルドアン首相が、大統領選に出馬すれば、与党AKP(正義発展党)が多数をしめる議会で当選するのは確実といわれる。これを快くは思っていない軍が、「PKKとのテロとの戦い」を利用して、国家内で自身の存在意義を示そうとしているという。このクルドの見方は、私も同感だ。
PKK掃討名目でトルコ軍が加えている圧力は、イラクではなく、自国内の政府に向けられているという奇妙な構図である。(PKKはこの見方を否定している)
(続く)
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イラク・トルコ・イラン・シリアにまたがるクルディスタン。分断民族クルド人とは。クルド問題とその他の地域も取材中(坂本卓/アジアプレス)






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