バグダッド従軍日誌 (3) アーメル地区〜見捨てられた街で
クルディスタン日誌というより、しばらくは「バグダッド日誌」ですが、そのまま続けます。
==================================
![]() 【パトロールに同行。「アッラーの神がついてるから大丈夫」と兵士は言うが、きっと相手も同じ神さまに祈りながら攻撃してくるのだろう…】 |
ドーンと鈍い音。自爆の自動車が爆発した音だという。そして狙撃の銃声。米軍ヘリが上空に黒い姿を現す。2004年以来のバグダッドだ。
バグダッド最悪といわれるアーメル地区。ここはシーア派サドル支持のマハディ軍と、アルカイダ系スンニ派の武装組織が衝突する宗派抗争の最前線だ。サドル支持者が入り込んでいる警察はシーア派に味方し、スンニ派住民を連行しては、リンチを加えて殺害している。
街からは次々と人々が逃げ出している。治安維持のため、警察に代わってこの地区にイラク軍が投入されたのは2月末のことだ。いま、宗派抗争に加えて、イラク軍も標的となっている。
誘拐や殺戮も横行するこの地区には、外国人記者どころか、イラク人記者でさえやってこない。地元の住民、イラク兵、そして米兵みんなに「よくこんなところに来たな」と言われてしまった。

前線の司令部の壁には、マハディ軍から加えられたRPGロケット弾や迫撃弾攻撃の痕が残る。
シーア派、スンニ派、どちらの地区の人々も、なぜ、こんな状況になったかわからないという。
スンニ派には外国人義勇兵が入り込みシーア地区を攻撃し、シーア派は仕事のない十代の青年が近所でグループを作って「復讐してやる」とスンニ派を襲撃する。
いったいだれが、なんのために銃をとって戦っているのか、もうわからないのではないか。そして、この地区で双方の標的にされている米兵も、同じ気持ちではないのだろうか。
今日、1日で、この地区だけで3件の自爆があった。もう誰も驚きもしない。見捨てられた街で、どうしていいかわからないで暮らす住民たち。3年前のバグダッドよりも、さらにひどくなっていた。
<<前 | 次 >>
坂本卓 バグダッド従軍日誌 トップへ>>>
=============================================
イラク・トルコ・イラン・シリアにまたがるクルディスタン。分断民族クルド人とは。クルド問題とその他の地域も取材中(坂本卓/アジアプレス)





【お知らせ】 北朝鮮内部からの通信〜リムジンガン 第2号 販売開始!