バグダッド従軍日誌(4) 司令官の思い(1)
クルディスタン日誌というより、しばらくは「バグダッド日誌」ですが、そのまま続けます。
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![]() 【「時間がかかるのはあたりまえ。でも住民の信頼獲得が重要」と話すナジール司令官】 |
いま、従軍取材している陸軍旅団はバグダッド西部のアーメル地区で治安維持任務についている。旅団司令官ナジール将軍は、任務の遂行には、住民の信頼獲得が不可欠と考える。宗派抗争とはいえ、住民どうしが殺しあいをしているわけではない。これまで隣人だった人びとが、煽られた抗争に巻き込まれたと司令官はみている。
警察が事実上、機能していないので、住民が持ち込むさまざまな相談ごとにも軍が応じる。学校の試験があるが登校が危険ときけば、すぐに通学路の警備を指示する。
大忙しの司令官が一息つけるのは、連日、深夜の1時をまわったころだ。
いま、ナジール司令官は、シーア派、スンニ派住民と対話の機会を持つことで、あいつぐ米軍襲撃や宗派間抗争の解決につなげようとしている。
「イラク軍といってもアメリカの味方じゃないか」と考える住民も少なくなく、対話はなかなか実現しなかった。一方で、住民は、自分の街が殺戮の場所となり、行政機能がストップし、なんとかしてほしいと思っている。暴力と生活への影響で、アーメル地区の半数近くが街を去ったという。普通の住民が宗派をこえて向き合えるきっかけができれば、和解や融和の糸口となる、と考えた司令官は、ある会議を設定した。
シーア派の行政担当者(地区区役所員)、スンニ派地元住民、米軍、そしてイラク軍を交えて初めてもたれたこの会議の場に同席を許された。
行政や住民代表と言っても、彼らをとおして、シーア、スンナ両派の武装勢力に間接的にメッセージが届くと、ナジール司令官も米軍も承知している。
シーア派の行政担当者は、米軍が拘束しているマハディ軍メンバーの釈放を求めた。
「血の気の多い若者があとさき考えずにやったことなんです。大目に見てやってください」
米軍士官は、「われわれを襲撃した者をなぜ釈放するのか。法にそって処罰する」と強い口調で返す。
(2 に続く)
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イラク・トルコ・イラン・シリアにまたがるクルディスタン。分断民族クルド人とは。クルド問題とその他の地域も取材中(坂本卓/アジアプレス)




