バグダッド従軍日誌(9) 「友好軍」
クルディスタン日誌というより、しばらくは「バグダッド日誌」ですが、そのまま続けます。
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![]() 【イラク軍中尉(左)と米陸軍の軍曹(右)。友好軍…】 |
従軍していると、実際の現場で、イラク軍が米軍とどう連携しているか、見えてくる。
アーメル地区司令部は、高いコンクリート防護壁を隔てて隣の敷地に米軍キャンプがあるが、イラク軍司令部内にも米軍がミニ指揮所をおく。
常駐するのは米陸軍第1歩兵師団の部隊。イラク軍との作戦調整任務と米軍偵察隊(RECON)による指揮・連絡・訓練の統括などだ。
最近は、イラク軍が前線で戦い、米軍がGPSやヘリで後方支援の連携をする場合が増えた。しかし、攻撃相手の潜伏先など場所が特定されている場合は、米軍が現場に向かう。
毎朝1時間、両軍の責任者が合同作戦室で会議をする。こういうのはたいてい米軍主導ですすめられるのだが、ここのイラク軍部隊はいいなりというわけではない。
「モスクに武器が隠してあるという情報が入った。明日、ガサ入れをする」米軍側は決定を伝えた。
イラク軍司令官が、それを静止して、口を開く。
「それはできない。明日は木曜日。反発を招くようなことをすれば、翌金曜日の礼拝日に、モスクの説教者が報復を呼びかけることになる。ここの文化や習慣、そしてイラク人を理解すべきだ」
ガサ入れは、別の日に延期された。これまでイラクで米軍が重ねてきた失敗をいくつも見てきたイラク軍クルド部隊は、ここぞ、と思うところには意見を差し挟む。
アメリカ軍はじめ多国籍軍部隊は、総称してクウウェット・タハールフ、つまり「連合国部隊」という呼び方をする場合が多いのだが、イラク軍ではクウウェット・アスケリエ・サーディカ(友好軍部隊)という呼び方をすることもある。だが、現場では、さまざまな心情をもってるようだ。大隊司令官と話をしたときのことだ。
「米軍は武装勢力がいるらしい、という情報が入れば、その家の上にいきなり爆弾を落とす。我々は情報を精査して、ビデオで数日、家を監視して、少人数で急襲する。市街戦を避ければ、住民の協力も得やすい」と彼は教えてくれた。何度進言しても作戦を変えようとしない米軍に、苛立つこと少なくないという。世界最強の兵器、装備を持つ米軍が苦戦する理由のひとつは、ここにあるだろう。
米軍との一体化がさらにすすむ自衛隊。「友好軍」に意見し、ときには批判をできる関係がどこまであるだろうか。 (2007/04/27)
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イラク・トルコ・イラン・シリアにまたがるクルディスタン。分断民族クルド人とは。クルド問題とその他の地域も取材中(坂本卓/アジアプレス)





