アフガン韓国人人質事件〜教会に現地情勢や文化に理解はあったか
![]() 【イラクで活動中の韓国軍兵士。派兵当初は地元文化への理解が足らず現地では一部で批判もでた】(撮影:坂本卓) |
ほとんどがイスラム教徒のアフガニスタンで、宣教をともなった活動には批判の目も向けられている。
人道支援活動をする韓国センムル教会がアフガンに派遣した奉仕団メンバーのほとんどは支援活動のプロではなかった。大学生や会社員の信者が体験学習のようなかたちで現地に入った。カブールならまだしも、タリバンの根拠地だったカンダハルでの活動である。
「地元が受け入れてくれる」のを理由に、おこなっていた宣教を伴った支援活動。困窮する場所では、「外国から支援がくる」ときけば、まず反対はしない。
人助けをしたいという思いはすばらしいことだ。しかし、危険な地域での支援活動では、経験と判断力が求められる。経験のない者の安易な行動で、地元スタッフや支援先も標的にされることもある。幼稚園や病院の支援をおこなっていたというが、同時にキリスト教宣教が伴っていれば、過激な武装集団に「狙い」をつけられてもおかしくはない。
いま、イラク北部のクルディスタン地域には、韓国軍が派兵されている。軍の基地内で英語通訳をしていたクルド人の友人が何人かいる。
韓国軍が派遣された当初、士官クラスの兵士が、通訳たちに横柄な態度で言ったという。
「あなたは字が読めるの」「この国に大学なんてあるの」
また、地元政治家にまで失礼な態度をとることもしばしばで、周囲は困惑していたそうだ。
![]() (撮影:坂本卓) |
優しく教養ある兵士とは親友になれた一方で、イラクをあたかも「遅れた原始社会」のように見なしている兵士や士官には怒りの感情を抱くこともあったと友人は話した。かつての日本も同じようなものだが、外国にどんどん出ていくようになった韓国はいま、それを経験している。
韓国兵にカップラーメンをすすめられた通訳は、「イスラム教徒はブタ肉は禁止されているので」と断った。すると、「それは食べず嫌いだ」と、無理矢理に口に入れられそうになったそうである。兵士は好意のつもりだったのかもしれないが、通訳たちのあいだでは、韓国人へのイメージが変わったいう。
通訳によると、その後、韓国軍はようやくこうした態度を改めるようになり、地元文化や習慣を勉強するようになったということだった。
韓国政府が国家として復興支援に派遣した軍隊でさえ、こうした問題が起きていた。なかば団体観光のような形でアフガニスタンに入った韓国人が、どこまで地元文化を理解して行動していただろうか。今回の事件で、危険地帯での支援活動のありかたがクローズアップされることになったが、宣教は別にして、人道支援をおこなっている団体全体に対して批判が注がれるようであってはならないと思う。
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イラク・トルコ・イラン・シリアにまたがるクルディスタン。分断民族クルド人とは。クルド問題とその他の地域も取材中(坂本卓/アジアプレス)






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