新しいイラク国旗をめぐって(1)
■いきなりボツになった「2004年国旗」
イラク国旗が変わることになった。国民議会での議論の末、最終的に緑の三連星をなくし、アッラー・アクバル(神は偉大なり)だけを残すデザインだ。このイラク国旗変更問題はクルド人とクルディスタンが大きくかかわってきた。すこし振り返りながら、このイラク国旗問題を見てみたい。
2004年4月、フセイン政権崩壊後のイラク暫定統治評議会によってイラク国旗は一度変更が発表されている。白地に青いラインの新国旗は、「イスラエルそっくり」と子供にまで笑われるほどで、あちこちから不評を買うデザインだった。
バース党を象徴する三連星、そして湾岸戦争後にサダム・フセインが書き込んだ「神は偉大なり」の文字だけでなく、赤、白、黒のアラブテーストを徹底的に排除した当時の新国旗デザインは、同じイラク国民として国づくりに参加することになるクルド勢力からの強い要望だったといわれる。
![]() 【イギリス在住イラク人のデザインによる「2004年イラク国旗」。公募で選ばれたとされたがデザイナーが当時の統治評議会メンバーの身内であることも明らかに。デザインは不評でいきなりボツとなった】 |
フセイン政権に抑圧されていた普通の市民さえ、この新国旗に対しては強く反発した。
「新しいイラクの象徴というより、イラクがアメリカとイスラエルに売り渡されたと感じる」
そう話すバグダッド市民もいた。
武装勢力は、コーランの言葉が書かれたイスラム旗よりも、旧国旗を前面に押し出し、「占領に対する国民解放闘争」として宣伝効果を高め、支持を拡大させた。結局、この新国旗は2週間とたたないうちにボツとなり、再び、もとの国旗が使われることになった。
![]() 【「なんだこれは。絶対に認めない」と”2004年新国旗”の発表に怒っていた散髪屋のおじさん(バグダッド (2004年撮影)】
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その後、現在にいたるまで使われていたのは、サダム・フセインの筆による「神は偉大なり」から、活字化された文字に代えられたものの、基本的にこれまでと同じイラク国旗である。今度の国旗は、議論を重ねて決定されたというが、はたして受け入れられるのだろうか。
(新しいイラク国旗をめぐって(2) に続く)
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イラク・トルコ・イラン・シリアにまたがるクルディスタン。分断民族クルド人とは。クルド問題とその他の地域も取材中 (坂本卓/アジアプレス)





