マオイストはなぜ圧勝したのか
風邪をこじらせてしまい、なかなか熱が下がらない。夜は咳が出て眠れない。それでも、休んでいるわけにもいかないのが、つらいところだ。しばらくすると、マオイストのリーダーたちも忙しくなるだろうと思い、今のうちにインタビューをしておこうと、頑張って外出するのだが、帰宅すると途端に熱が上がるという日が続いている。
夕方は、文化人類学者が今回の選挙を観察した報告会を見に行った。彼らがまったく異なる視点で見ているのが面白かった。今回、マオイストが圧勝をした理由について、これからさまざまな分野の人がいろいろな解釈をするのだろうが、報告をした一人が言っていた「この12年間、村人の近くにいたのはマオイストだけだった」というのが、一番、真実に近い答えなのだと思う。
都市部では、もちろん、異なる答えがあるのだが(労働者層へのマオイストの浸透と、選挙キャンペーンのインパクトが主な理由だと私は思っている。とくにカトマンズ盆地では、投票の直前になってマオイストに入れようと思った投票者が結構いると思う)、山岳地帯の村々では、内戦中の10年のほんとどの期間、村にいるのはマオイストだけだった。
私はずっとロルパで観察を続けてきたが、ロルパではマオイストはすでに“権威(あるいはpower)”として確立しており、日常生活のなかでの彼らの存在は外の人間には理解ができないほどに強く根付いていたのだと思う。
プログラムのあとに、何人かの外国人と話していて、ほぼ全員が「マオイストは脅しの手段を使って勝利した」という印象を話していた。メディアの報道をそのまま受けて止めているようだった。しかし、すでに多くの権威ある人たちが「今回の選挙は、ネパールで開かれたこれまでの選挙のなかで最も平和だった」という発言もしている。私自身、自分のフィールドで検証をするつもりでいる。




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