UMLが新しいトップを決める
制憲議会選挙での敗退の責任を負って、マダブ・クマール・ネパールが辞任したあと、総書記が空席となっていた統一共産党が昨日、ジャラナス・カナルを新総書記とすることを決めた。カナルと同じ“ジャパ運動”出身で、“右派コミュニスト”のK.P.オリは自身が総書記になるべきと主張したが、支持者が少数のために可能性ゼロと見られていた。“王制支持派”というイメージが定着してしまったオリが党トップになることは今後もないだろう。
現在57歳のカナルはUML内では“常識派”のリーダーだ。1980年代に7年間、当時の“マ・レ”ことネパール共産党MLの総書記を務めたことがあったが、故マダン・バンダリが“複数政党制コミュニズム”の方針を打ち出したとき、カナルはこれに反対したために、総書記の席を失うこととなった。UMLのリーダーたちには、かつて1990年民主化運動の本を書いたとき、またその後も、さまざまな機会に会っているが、カナルはネパールよりは強力なリーダーシップをとれるのではないかと思う。
M.K.ネパールは人間的には正直で良心もある“良い人”だが、リーダーとして党を率いるには弱すぎた。UMLも、党変革の非常に大事な転換期にある。同党はもともと、グループ・リーダーシップを基本方針にしてきたが、こうした時期には強いリーダーが必要だ。
奇しくも、今日はマダン・バンダリの15周忌にあたる。バンダリは1993年の今日、車の事故で亡くなった。(UMLの党員の多くは、これは事故ではなくて、陰謀だったと今でも信じている。)カリスマ性のあるリーダーだったと言われているが、プラチャンダ党首とは全くことなるタイプだと思う。偶然、私はバンダリが亡くなる数日前に、彼にインタビューをする機会があった。
私がバンダリに会ったのは後にも先にもこの一度だけだったが、そのときには、“カリスマ性”を感じることはなかった。プラチャンダ党首に会ったときに感じた、人をひきつける独特の魅力を感じなかったのだ。良くも、悪くも、プラチャンダ党首からは強力な人間性が漂ってくる。マオイストがここまで大きな勢力となった背景には、プラチャンダが党内の争い・問題を巧みにバランスをとって解決してきたという事実がある。
逆に言えば、彼がいなかったら、マオイストもここまでくることはできなかった。そのマオイスト党内でも、少しずつ“反主流派”が強くなってきているようだ。今後、プラチャンダもこれまでのように上手く舵取りすることは、それほど容易ではなくなるだろう。




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