PLAによる一般人殺害事件
マオイストの人民解放軍第三師団のコマンダーがコテスワルのレストラン経営者を殺害した事件は、彼らに対する信頼を大きく失墜させることになりそうだ。今日の各紙はこの事件のことを一面トップで報道している。それぞれ微妙に内容が異なるが、被害者はマオイストの支持者で、制憲議会選挙でカトマンズ1区から当選したロルパ出身のジャック・プラサド・スベディの選挙運動に大きく貢献したのだという。第三師団は被害者の家に事務所を置いており、師団コマンダーのビビダらはここに滞在していた。
選挙の前に、第三師団の事務所から170万ルピーとピストルが紛失し、この事件に家主の被害者が関係していることを疑ったマオイストが、被害者をチタワンにある駐屯地に連行し、拘束しているあいだに殴り殺された。
紛失した金をピストルは、数日後、事務所内から見つかっているのだが、家主のほかに第三師団のコマンダー2人がこれを盗んだとマオイスト側は主張している。第三師団はこの3人を拘束して取調べをしていたが、拘束中に容疑者である2人のコマンダーが被害者の家主を殴り重体となったため、カトマンズの病院に運ぶ途中亡くなった。そして、遺体をムグリンとナラヤンガートのあいだでナラヤニ川に捨てたというのが、マオイスト側が警察に話している説明だ。
第三師団はチタワンのシャクティコールにある駐屯地の連隊コマンダー“ジビダ”を警察に引き渡したが、マオイスト側の説明には不審な点がたくさんある。重体となった被害者を、なぜ一番近い病院に運ばずにカトマンズに連れて行こうとしたのか。
被害者をカトマンズに運ぶ車に、容疑者の2人のコマンダーもいたが、遺体を川に捨てたあとに逃亡したというのがマオイスト側の説明だが、これはどうも信じがたい。何よりも、事件について、警察沙汰にすることなく、容疑者を拘束して拷問を加えるというやり方は、かつて王室ネパール軍が侵した無数の人権侵害とまったく同じレベルのやり方だ。
事件にはPLAの連隊レベルのコマンダーが関わっている。この事件は、PLAとネパール軍の併合に反対する人たちに大きな利益を与えることになるだろう。マオイストが政府を率いる事に関して、大きな疑問の声を発しているネパール会議派や統一共産党に対しても、「だから、マオイストはだめなのだ」という根拠を与えることになる。大変な時期に大変な事件を起こしてくれたものだ。愚かとしかいいようがない。



