![]() 【男子は2年間の兵役につかねばならない韓国だが、代替服務制度の導入が検討されはじめた】(FILE) |
昨年9月、国防部は「宗教的または良心的な理由による兵役拒否者に対し、早ければ2009年から代替服務を認めるようにする」と発表した。兵役の代替服務の場所として、ハンセン病の患者が暮らしている小鹿島(ソロクド)の病院や釜山(プサン)の近くにある結核病院など、9つの国立特殊病院と200余りの老人専門療養施設などが検討されているという。代替服務期間も現役兵の2倍に当たる36ヵ月で、場所も自分で選べない。また、合宿をしなければならない。
これまで兵役を拒否すれば罪となり、刑務所に行かねばならなかった。代表的な事例は宗教団体「エホバの証人」の信者の若者で、これまで約1万人が兵役違反法で逮捕され、現在も800人以上の若い信者が服役中だという。
6年前から「平和のため、銃を持ちたくない」との信念から兵役を拒否するものが現れはじめた。彼らは「良心的な兵役拒否者」と言われ、これまで28人が軍隊の代わりに刑務所で1年6ヶ月過ごす‘前科者’の道を選択した。
私が4年前に取材した出版社の経営者、林成桓(イム・ソンファン)さんも「軍隊で人を殺す練習さえしたくない。その代わりに福祉ボランティアなどの公共的な任務で代替できるようにしてほしい」と私に訴えた後、刑務所に入った。
![]() 【市民団体、弁護士、民労党議員らが代替服務制度の立法化を求め記者会見(2006年)】(インターネット新聞 Redianより) |
9月30日、ソウル経済新聞(2007年9月30日付)によれば、インターネット世論調査機関で実施されたアンケートでは62%が「代替服務制度に反対」だと報じた。韓国社会では徴兵拒否=徴兵忌避とされる傾向がいまだ強いのだ。
国防部は、2007年6月に代替服務制度導入は時期尚早と判断を下し、青瓦台に報告していたのだが、3ヵ月後には方針を導入に180度転換している。
これは盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権(当時)の人気取り戦略だという批判も出たが、これに対して国防部関係者は、「兵役を担う人材として活用が出来ない一方で、前科者を大量に生み出す事態を解決しなければならないからだ」と説明した。実際、02年から年平均752人の若者が「徴兵拒否者」として刑務所に送られている。
韓国では、「軍隊に行かない男は半人前」とされる風潮がまだ根強い。だが、人生で最も輝く時間を軍隊で過ごしたくない、という考えも当然だ。
いま、韓国の親や若者、社会は「兵役の拒否」と「国防の義務」の狭間で揺れ動いている。
(サンデー毎日「朝鮮半島を読む」掲載記事を加筆・修正)






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