rimjingang-No2-hs-s.jpg
季刊誌 北朝鮮内部からの通信〜リムジンガン 第2号・夏号
ご注文はこちらへ


ico_new2.gif北朝鮮不動産取引の怪 リムジンガン
〈解説〉住宅闇市場と横行する不正腐敗 2
住宅事情悪化の要因
朝鮮式社会主義制度の下では、国家の所有物である国家住宅の購入や交換を一般住民が行うことはありえない…

ico_new2.gif北朝鮮―嘱託殺人事件 上[事件・事故] リムジンガン
朝鮮で「嘱託殺人」事件が起きた!……と言っても、別に驚くにあたらない。国家権力の不正腐敗により無法地帯化してしまった社会では…

ico_new2.gif北朝鮮不動産取引の怪 リムジンガン
〈解説〉住宅闇市場と横行する不正腐敗 1
朝鮮において、国家による住宅供給制度は、既に一九八〇年代から不正腐敗にまみれながら崩れていったといわれる…

ico_new2.gif市場の民衆たちがもつ「統一」のイメージ [民衆の暮らし]リムジンガン
党と国家の宣伝教化によって形成され、学者や教員、作家、記者らを通して植えつけられた住民たちの統一観は、かつては次のようなものだった…

ico_new2.gif北朝鮮―08年食糧危機の実態と背景を探る 5(リュウ・ギョンウォン)リムジンガン
5 一九九〇年代後半の食糧危機との違いと共通点
これまでにも少し触れたが、一九九〇年代の食糧危機は当初、労働者地区と都市で発生した…

もっと見る

坂本卓のクルディスタン日誌〜PKK ドイツ人の人質解放

APN_080720_sakamoto_001.jpg
【ドイツ人登山グループがPKKに拉致されたアララト山】(FILE/撮影:坂本卓)

■PKK ドイツ人の人質解放

アララト山でPKKに誘拐されたドイツ人登山家ら3人がアール県で解放された。7月8日、アララト山登山中だったグループは、標高3200メートル付近でキャンプしていたところを夜中に5人のゲリラによって拉致された。

今回のドイツ人誘拐は、明確に誘拐を目的として登山家のキャンプを襲ったというよりも、ゲリラのデウリエ(偵察巡回活動)の過程で、山中でドイツ人登山者の一団と出くわしてしまい、そのまま連れて行ったという印象が強い。

PKKは声明で「ドイツのクルド政策に反対し、ドイツのトルコ支援の中止を求める」としているが、この誘拐は「戦術的」なものではない。
90年代、「国際社会の注目をトルコのクルド問題にひきつける」として、PKKは外国人誘拐と観光地での爆弾事件をくり返した。これはトルコの外貨獲得源のひとつだった観光産業に大きなダメージを与える。当時、同様の戦術をとっていたエジプトのイスラム“原理主義”組織の外国人誘拐や観光地襲撃に影響を受けたものといわれる。

エジプトやアルジェリアのイスラム組織とPKKが違った点は、「武装闘争はクルド人の人権と人道主義のため」というスローガンをPKKが掲げていたところだ。だが、暴力的になるにつれ、外国人誘拐や繁華街での爆弾事件、民間人の殺害など、「人権と人道」に矛盾する戦術へとつきすすむ。批判は組織内部からもあがるが、「これは戦争である」とする武装路線派に押し切られてしまう。

APN_080720_sakamoto_002.jpg
【拉致したドイツ人の解放を発表するPKKゲリラ部隊HPG(人民防衛隊)総司令部の声明】(HPGウェブサイトより)
過激戦術によって国際社会がトルコのクルド問題を知ったのも事実だ。だが、クルド村への軍による焼き討ちや無人化作戦、非常事態宣言下での逮捕、長期投獄、拷問を問題視していたヨーロッパ諸国や人権団体が、PKKの過激戦術の前に、トルコ政府批判のトーンを強めることができなかった側面もある。

95年にはトルコを旅行中のデンマーク在住の日本人も誘拐(のち自力で脱出)されるなど、PKKによる外国人誘拐事件は90年代末頃まで散発的ながら発生していた。だが、ほとんどの場合、「狙いを定めて人質交渉で使うため」というより、ゲリラ支配地域に入り込んだ人物を、拘束して連れ去るという場合が多かった。

昨年末から今年初頭にかけてのイラク北部でのトルコ軍の連続空爆攻撃で、PKKは主要な拠点をいくつか失った。イラク国境と大きくはなれたアララト山付近のゲリラ部隊は、もともと限られた小規模な人員だったが、部隊再編で一部をアルメニア国境側に移動しているともいわれる。

おりしもドイツではクルド衛星放送局ロジテレビに対する禁止措置への動きがあったこともあり、ドイツ人の誘拐はこれに連動したものかとも言われたが、はたしてそうだろうか。

<< 前 │ 次 >>
***********************************
イラク・トルコ・イラン・シリアにまたがるクルディスタン。分断民族クルド人とは。クルド問題とその他の地域も取材中(坂本卓/アジアプレス)