![]() 【イラク・クルディスタンでのマラソン大会。イラクの旗はなく、クルド旗しか見られない。クルドとしてのオリンピック参加は「見果てぬ夢」か】(FILE/撮影:坂本卓) |
北京オリンピックは、世界204の国と地域が参加した。たとえば中華台北(台湾)は「地域」という扱いだ。
国家をもてなかったクルド人。独立国家は見果てぬ夢であっても、文化やスポーツとしての「クルディスタン地域」として国際的なスポーツや文化行事に参加することはできないのか。
「イラク人やシリア人としてではなく、クルド人として国際試合をしたい」。こうした思いを「実現」させようと、ある動きがおきている。まず、クルド人にとってもっとも大衆的なスポーツであるサッカーにおいて、国際競技でクルド人チームとして参加できるような認知活動を始めようというものだ。
サッカークラブ設立の準備も始まっている。イラクのクルド地域政府を通して、出身国や国籍を越えたクルド地域代表のクルド人として参加できるようになれば、国家はなくとも、民族として国際的な地位を認められることにつながる、というのが設立の趣旨だ。ヨーロッパに移民、難民として暮らすクルド人もこれに呼応する動きを見せている。
イギリスが、サッカーのワールドカップに、英国としてではなく、イングランド、ウェールズといった連合国を構成する一つの「国」として参加しているのを見れば、たとえば、イラクで連邦を構成するイラク・クルド地域が、国際競技に参加するのも不可能というわけではない。とはいっても、クルドをとりまく政治は複雑に絡み合うので、難しいのが現状だろう。
クルド人たちは分断されたそれぞれの国で、芸能人やスポーツ選手の出身地がクルド地域であれば、同胞としてひときわ熱い声援を送る。
「あの選手はクルド人なんだよ」
どの国にいっても、テレビを見ながら私にそう教えてくれるクルド人がいた。
「夢と感動を与えるオリンピック」などとはよく使われる表現だが、クルド人にとっての「夢」は、複雑な政治と背中あわせである。クルディスタンの旗を掲げた選手団がオリンピックの開会式で行進する姿を見るのは、やはり夢のまた夢なのか。クルド人の思いは果てしない。
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イラク・トルコ・イラン・シリアにまたがるクルディスタン。分断民族クルド人とは。クルド問題とその他の地域も取材中(坂本卓/アジアプレス)






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