小倉清子のカトマンズジャーナル〜プラチャンダ新政権の厳しい船出
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昨日の記事にもコメントをいただいたが、新政権ができるまでにかかった、4ヶ月間という異様に長い時間は、マオイストが超えなければならなかった逆風の強さを物語っているのだと思う。
ネパール会議派が第一党になっていれば、間違いなく、これほど時間はかからなかっただろう。マオイストはまず、5月28日、制憲議会の初日に、「過半数」への憲法改正(これはそもそも、マオイストが第一政党になったために、NCとUMLにより出された改正案だった)と大統領制度の決定で、最初の逆風を乗り越えることができずに、大きな譲歩を強いられた。
この逆風に流されるままに、大統領選で大きな過ちを犯すことになったのだ。この過ちを正すのに、さらなる時間がかかった。最終的に本来あるべき路線に戻ったのは、マオイストが自身の過ちを認めて、冷静な判断を下すことができたこと。
統一共産党とマデシ・ジャナアディカール・フォーラムが、党内外からの圧力があったにもかかわらず、それに流されることなく、理性的な決断をすることができたからだと思う。
“逆風”のもとは、他でもない、何としてもマオイスト主導の政府ができるのを阻止したいインドの複数の勢力からの干渉・圧力と、ギリジャ・プラサド・コイララとその側近らの不健全な野心(そして、ネパール軍のカトゥワル参謀長ら、マオイストの軍併合を何としても阻止したい軍勢力も)である。
このブログでも何度も書いたが、今回の動きのなかで、コイララとその側近の意図は、マオイスト抜きの政権樹立、可能であれば、コイララの首相続投、それができなければ、統一共産党のカナル総書記を首相に立ててというシナリオだった。
これがいかに不健全で、和平プロセスにとって危険なシナリオであるかを、コイララを初めとするネパール会議派の一部幹部は考えもしなかった。実に愚かなことである。
とはいえ、プラチャンダ政権のこれからは、決して安泰なものではない。
統一共産党内の根強い「反マオイスト派(KP・オリ派)」の動き。マオイストもUMLもマデシの主要要求である「エカ・マデシ・エカ・プラデシュ」にすでに「反対」の意を示しているが、そうしたマデシ政党を与党内に抱えて、彼らとどう折り合いをつけるのか。マオイスト党内で強くなってきていると見られているキランら“強硬派”の動き。
そして、ネパール会議派は野党になると、さまざまな陰謀を企んで“破壊活動”に専念することは、ネパール政界では周知の事実である。さて、新政府はこの困難をどう乗り切るか、期待をもって見守りたいと思う。





