![]() アフガニスタンで活動する伊藤さん(2004年撮影/ペシャワール会提供) |
アフガニスタンで活動する非政府組織「ペシャワール会」の伊藤和也さんが、8月26日に武装グループに誘拐された事件は、銃撃を受けた死体で発見される悲しい結末となった。
犯行グループの正体は?
各報道機関が、イスラム原理主義組織「タリバン」の報道官に電話をして確認したところ、「犯行を認める発言をした」と伝えられている。
http://www.ntv.co.jp/pda/news/117383.html
長年アフガニスタンの復興支援に取り組み、ジャララバード周辺の事情に詳しい「宝塚アフガニスタン友好協会」代表の西垣敬子さんは、タリバン犯行説には慎重な見方をとる。
「今回、事件が起きたダラエヌールは、ジャララバードから車で1時間以上の所で、ペシャワール会の診療所がひとつあり、用水路をつくっている。素朴な田舎で、タリバンの拠点とか、そんな場所ではない。ペシャワール会はタリバン政権時代から、支援活動を続けてきたし、人びとの中に深く入り込んでいた。ペシャワール会を狙う意図が分からない。タリバンの犯行とは考えにくいのではないか。
何か主義主張がある犯行とは思えない。強盗団とかお金目的の事件に巻き込まれたのではないか」
![]() カブールに比べ温暖なジャララバードでは、農業が盛んだ。ケシの栽培も依然として多く、住民の主要な現金収入となっている。(2006年12月/撮影:白川徹) |
ジャララバード周辺はどんなエリアなのか
2年前からアフガニスタンを取材してきたアジアプレスの白川徹は、犯行のあったナンガハール州のジャララバード周辺を訪れたことがある。現地について次のように解説する。
2006年12月にジャララバードを取材した。ジャララバードはアフガニスタン東部最大の都市であり、治安はアフガニスタンの中でもかなり安定している。
首都カブールでは、バザール(市場)でカメラを出すこと自体、注目を浴びてしまうので治安上難しいが、ジャララバードでは問題なく撮影も可能であった。住民も非常にフレンドリーであり、カブールのような緊張感は感じられなかった。バザールもパキスタン経由で大量のモノが運び込まれており、スパイスや絨毯、服などが所狭しと並んでいた。
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カブールではブルカ(女性が全身を覆い隠すために着る服)を着ない女性も増えているが、州都のジャララバードでは街なかで女性を見かけること自体があまりなかった。
ナンガハール州はパキスタンと国境を接していることもあり、アフガニスタンの通貨のアフガニーと一緒に、パキスタンのルピーが使われていることが多い。パキスタンとの国境はあって無きが如しで、多くの人間がパスポートを持たずに国境を越えている。
私が訪れた2年前は、治安上あまり問題の無い地域であったが、近年のタリバン再興の動きもあり、治安は悪化しているという。また、盗賊がよく出没する地域でもあり、現地のコーディネーターからは盗賊の襲撃に注意された。
現地からの情報が不足していて、現時点ではタリバンの犯行かどうか、断定するのは難しい状況である。
(構成:アジアプレスネットワーク編集部ほか玉本英子・白川徹)
![]() ジャララバードはカブールと比べても遜色の無い大都市だ。しかし、外国人の数は少なく、宿泊する施設も限られている。(2006年12月/撮影:白川徹) |








