シンガポール行きの真の目的(2009/11/22)【小倉清子】

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シンガポール行きの真の目的(2009/11/22)

プラチャンダとコイララ党首のあいだに“極秘合意”などというものはなかった。プラチャンダがシンガポールに行った目的は、実は別にあったという、とても興味深い記事が今日発売の週刊誌Nepalに掲載されている。

コイララ党首がシンガポールに治療に行ったのも、プラチャンダがその後を追って当地に行ったのも、すべて計画的なものであったとこの記事は暴露している。プラチャンダがシンガポールに行った真の目的は“やっかいな外国のマリク(主人)”に会うためであったことを、当人が帰国直後に開かれた政治局会議で明らかにしたのだという。
 
とても“やっかいな外国の主人”とは誰なのか、プラチャンダは明らかにしていない。しかし、記事の筆者はインドと中国、アメリカの“代表”に会いに行ったのだと書いている。とくにインドの“代表”については、カトマンズ駐在のインド諜報機関の幹部であることを示唆し、この会見をアレンジしたのは、コイララ党首とシンガポールに同行したシェカール・コイララだったと記事にはある。同じコイララ・ファミリーのメンバーでありながら、仲が悪いことで知られたスジャータ・コイララ副首相とシェカール・コイララが今回一緒にシンガポールに行ったのもこの事実があったからなのだという。

コイララ党首との会見では、トップ・リーダーからなるメカニズムを早急に発足させることで合意したが、新政権発足に関しては話題にならなかったというスジャータの発言は真実ということになる。

つまり、プラチャンダの帰国直後の「まもなく政権交代がある」という発言の背後にあったのは、コイララ党首との会見ではなく、“外国の主人”とくにインドの“代表”の会見に基づいたことになる。これらの“事実”に関してはすでに首相官邸に情報が伝わっているようだ、この発言の直後にK.P.オリが突然インドに発ち、今日帰国した。プラチャンダと“外国の主人”のあいだの話し合いに関して、何かを確かめにいった可能性もある。

マオイストは昨日、予算案を認可するために、明日から3日間だけ議会妨害をしないことを決めた。これで、彼らの抗議運動の効果も半減することになる。しかし、コイララ党首との合意に基づいて、“ハイレベル・メカニズム”が発足し、すぐにも問題解決の話し合いを始めることになれば、和平プロセスに対する希望が少しは出てくることになる。

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またも、“極秘合意”の噂(2009/11/19)

プラチャンダは昨日、シンガポールから帰国した直後に、記者団に向かって「まもなく、現政権に代わる新しい連立ができる」と自信たっぷりに発言した。

しかし、シンガポールの病院での25分間のコイララ竏茶vラチャンダ会見に立ち会ったスジャータ・コイララはこの発言を否定して、両党首のあいだで新政権に関する話し合いは行われなかったと話している。

では、これはプラチャンダ独特のパフォーマンスなのか、それとも、コイララ党首のあいだでやはり新政権に関する“極秘合意”がなされたのか、不明であるが、私は後者ではないかと思う(間違っているかもしれないが)。

予算案と大統領問題に関する主要3政党の話し合いは、今日も合意ならなかった。マオイストの“期限”は明日で切れるが、マオイストは今日開かれた幹部会議で、大統領問題が解決されないかぎり、予算案を認可するために議会妨害を中止しないと決めている。

結局、一歩も前進していないわけだ。しかし、明日の期限切れのあとも、コイララ党首が帰国する22日まで、マオイストは街頭運動の再開を待つ可能性が高くなってきた。それにしても、たった“25分間の対話”のために、プラチャンダはシンガポールに行ったことになる。

何とも高くついた会見となったわけだが、それだけの意味はあったのだろうか。それを知るのは両リーダーと同席したクリシュナ・バハドゥル・マハラ、そしてスジャータとシェカール・コイララだけである。

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プラチャンダも、シンガポールに(2009/11/17)

昨日、マオイストのプラチャンダ党首は突然、シンガポールに発った。余程急に決まったようで、直行便のシルク・エアーには空席がなかったのか、バンコク経由で当地に行っている。

目的は明らかで、当地の病院に入院しているNCのコイララ党首に会うためである。両者の会見を仲介したのは、シンガポール大学で教えているインドのネパール学者S.D.ムニだという報道もある。

ネパールにも頻繁に訪れているムニは、マオイストを孤立させることに反対の立場をとっているようだ。今日の午後行われた両者の会見で、具体的にどんな話し合いが行われたのか不明だが、2人の党首の思惑通りに事が進むのだろうか。

一方、こちらカトマンズでは、予算案認可のための動きが急展開しそうである。与党の主要3政党は、明朝までにマオイストが議会再開に同意しなかった場合、「何としても」予算案を通過させることを決めた。議会(暫定立法府)に予算案が提出されてから4ヶ月。閣僚の給料はすでにストップし、さらに認可が遅れると、公務員の給料も支払えなくなるという状況にある。

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小倉 清子
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ネパール王制解体
- 国王と民衆の確執が生んだマオイスト


 著者:小倉清子 
 出版:日本放送出版協会 
 定価:1218円(税込)
 <2007年1月刊>

 13年にわたる現地取材により明かされるマオイストの真実の姿。政府軍の空爆下、マオイストの拠点であるタバン村に赴くなど、命がけの取材を敢行し、党首プラチャンダはじめ、幹部、コマンダーへの徹底した聞き取りを実行。
 また90年代の民主化運動から継続的にネパールを見続けてきた経験をもとに、王政崩壊の新局面を迎え、激動するネパールの現在を鮮烈に描く。

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