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復刻連載「北のサラムたち1」第16回 ああ哀しき者よ、汝の名は「北朝鮮の女」(6) 性にまつわる悲しい話

子供連れで闇市場の片隅にしゃがむ女性。1999年9月茂山郡にて撮影キム・ホン(アジアプレス)

復刻連載「北のサラムたち1」第1回へ

「結婚するのはモジョリ(バカ)、子どもを作るのは大モジョリ」

北朝鮮で政府はどんな宣伝しているか知っていますか? たとえば暗誦させられた「金正日将軍のお言葉」にこんなのがあったのを覚えています。

「北朝鮮では女性が男性とまったく同等に社会に出て労働できるよう、幼稚園や託児所が完備されています。世界でいちばん幸福なのは、北朝鮮の女性です」

実際の北朝鮮では、食べるものがなくて、家族が力を合わせてもやっていけず、生きていたら将来また会えるだろうと、泣く泣く別れ別れになることが当たり前でした。だから、北朝鮮では「こんな時代に結婚するのはモジョリ(バカ)、子どもを作るのは大モジョリ」だと言うようになりました。子どもを産んでも死んでしまうし、苦労するだけですから。

それでは避妊はどうするのかというと、1990年頃まではリングを入れる手術をしていました。今はそんなものは消えてしまいましたし、サック(コンドーム)なんてものもありませんから、皆、どうしているんでしょうね。街角で「コッ サセョ(花を買ってください)」と通りがかる男に声をかけて春を鬻(ひさ)ぐ女がとても増えましたが、あの人たちがどうやって避妊しているのかわかりません。

1995年頃からの数年間に、たいそう人口が減ってしまいました。もちろん餓死や病死が原因です。人口があまりに減ったので、政府は中絶することを禁止して、堕胎手術の器具や機械を病院から回収してしまいました。子どもを産んだら特別配給を与えるという通達が、職場や地域の集会でも頻繁に降りてきましたが、政府の言うことなんか誰が信じますか? 中絶は、産婆を家に呼んで闇でこっそりやるようになりました。
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