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リムジンガン1号~7号

復刻連載「北のサラムたち1」第25回 40年目のSOS 在日帰国者一家の物語(9) 潜伏の限界―第三国への脱出を決意

北朝鮮で撮影された幼少時代のスギョン(右)とスミ。1984年頃か。

私は、大阪からまた朝中国境に向かった。

私から、日本親族からの支援は望めないという報告を聞いた李昌成さん一家とKさんの落胆については、述べるまでもないだろう。

その後も、Kさんはどうしたものか思い悩み、ずるずると時間だけが過ぎていった。昌成さん一家は、一日中私の取材拠点のアパートで、朝起きて、食べて、テレビを観て、晩飯を食べて寝るだけである。これからの方針など思いつきもしない。

ついに保護者のKさんは、先に述べたように決心するに至る。

「大事な話があります――。延吉に戻ってきてください」

Kさんから電話でそう告げられたとき、私は、
「これまでかな……」
と、昌成さん一家と別れの日が来ることを覚悟した。

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