![]() 【PKKとトルコ軍との緊張について質問する報道陣】 |
そして2つめは、キルクーク問題だ。キルクークへのクルド地域帰属問題の枠組みを決める憲法140条問題の解決をトルコはあらゆる手を使って遅らせようとしている、とクルド側は見る。クルドがキルクークの石油を手にすれば、国際的な発言力が増すうえに、自国内のクルド運動が勢いづくことになるからだ。
トルコ軍が20万規模の兵力を国境付近に集中させるというのは、尋常ではない。しかし、このトルコの「テロ組織壊滅への決意」は、イラク・クルド側を萎縮させるどころか、反発を招く結果をもたらし、さらにこれまで、距離のあったトルコとイラクのクルド人を結びつけつつある。
DTP(民主主義社会党)の女性議員レイラ・ザーナはディヤルバクルのネウロズの日、数十万の群集を前に演説した。
「クルディスタンには3人の指導者がいる。マム・ジャラル(ジャラルおじさん=タラバニ・イラク大統領)、カーク・マスード(マスード氏=バルザニ・クルド地域大統領)、そしてセロク・アポ(オジャラン議長)です」という内容だ。
国家反逆罪の対象となるオジャラン支持の発言を大群衆をまえにおこなったのには驚いたが、同時にイラク・クルドを率いるタラバニ、バルザニ両指導者について触れたのにも驚いた。ここ数年のクルドの動きは、さらに大きな激震となってクルド全体に広がるのではないかと感じている。
アメリカはトルコに自制を促す側にまわっている。現段階では、トルコ軍が兵力をもって越境攻撃をする可能性は高くないだろう。だが、急速に力をつけるクルドの動きを、黙ってトルコが見過ごすとも考えられない。国境付近の軍事的緊張に加え、政治的関係がさらに緊迫化するのは必至だ。




