アフガン韓国人人質事件〜人質・2人解放
タリバンが人質2人を解放した。いずれも女性だが2人だけということは、のこる10人以上の女性を拘束しておくだけの場所があるということだ。人質は分散して拘束されていると見られる。
ガズニ郊外は、車で少し走れば、大広野が広がる。パシュトュン人の集落は、石と泥を固めた土色の立派な住居が並ぶ。
高く長い壁にとり囲まれた巨大な住居は、まるで要塞のようだ。そこに一族、親戚が集団で生活する。集落は部族を構成し共同社会を営んできた。パシュトゥン人が母体であったタリバンに協力的な部族も多い。
韓国人人質は、山岳地帯の洞窟やガズニ市内の住宅ではなく、おそらくこうしたパシュトゥン人集落の家で拘束されているのではないか。閉ざされた部屋で村の女性らが食事の世話をしながら、定期的に場所を移動させられていると思われる。さらに長期化すれば、人質の体力的限界とともに精神的限界がくることになる。
人質のいる場所はほぼ特定されているだろう。携帯電話から場所を特定するのは容易だ。以前、ガズニで衛星携帯を使っていたら、「村落部では使うな」とアメリカ人記者に言われた。米軍はタリバン活動地域で衛星携帯電話の信号をキャッチしたら、そのまま誘導ミサイルを撃ち込んでくるからだ、という。実際に、外国人記者が誤射された例もあるそうだ。
タリバン政権崩壊直後、北部同盟によって新しく送られたガズニ知事の公邸にいったとき、「衛星携帯電話なら私のをいくらでも使え」といわれた。衛星電話はタリバン空爆作戦の前にすでにアメリカが要人向けに配布していた。通話料はアメリカが払うのだが、それは会話のすべてをアメリカが把握するということでもある。
ザ・タイムズ(英)によると、米軍はすでに人質の居場所を把握していてアフガン政府治安部隊と合同の救出作戦も準備しているが、韓国政府が強行策に反対している、と報じている。強行突入は人質の生命も危険にさらすことになるからだろう。
タリバンによるこのかんの外国人人質事件で解放までにかかった日数は平均で約1か月を要している。これまでに殺害されたのは韓国人人質は2人。拉致から26日目の女性人質2人の解放は、タリバン側の譲歩とみるべきではない。むしろアフガン、韓国両政府に対する明確な揺さぶりといえる。
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