首相がいない、政府もない
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今のネパールには首相がいない。そして、ほぼ無政府状態にあるといっていい。病床にあるコイララ首相はここ10日間ほど、完全な沈黙を保っている。首相官邸は、どんな病状にあるのかさえメディアに知らせていない。
そして、昨夜の出来事である。警官隊が昨夜、バラジュの工業地帯や、クスンティなどにある複数のマオイストのYCL事務所を突然、包囲して捜査に入った。
「YCLの事務所内に武器と、彼らが拉致した人が隠されている」という情報を受けて、強制捜査に入ったと警察側は言っている。
リング・ロードの一部を封鎖して、かなり大きな部隊で包囲をしたようだ。
バラジュの本部では、YCLは警官隊に対して投石をし、警官隊は催涙ガスを使って、しばらくやりあった。
結局、裏門から突入して、建物のなかを捜査したが、武器も拉致された人も見つからなかったそうである。この出来事に対して、YCLは強い非難をもって反応し、今日はラトナ公園で抗議集会をしている。
驚くべきことは、シタウラ内務大臣が「この捜査を誰が指示したのか関知しない」とコメントしていることである。
首都での、これだけ大きな部隊を動員しての強制捜査を内務大臣が知らないとは、あまりにも異例の事態である。
もし、これが真実だとしたら、警察は政府のコントロール下にないということだ。
西ネパールのダルチュラ郡では、ネパール会議派の元情報大臣ディレンドラ・プラサド・バドゥがYCLやマオイストの学生組織のメンバーらに襲われて、12人が負傷するという事件があった。
こうした事件は、実は今に始まったことでなく、総選挙のときには、各地で頻発していた。
しかし、今回はこうした出来事を理由に、選挙が延期される可能性さえある。ネパール会議派が選挙延期を主張し出したら、元も子もない。マオイストは自粛すべきなのだが、村のレベルまで、コントロールをすることは非常に困難だ。
5日の読売新聞の国王インタビュー記事に関して、ようやくネパール・メディアが気づいたようだ。
今日の午後3時のKantipur FMがトップニュースで報じていた。4日午後に「何人かの日本メディアに対して行われた」という国王インタビューを、私は5日に同紙のウエブサイトで見ていたのだが、ネパール・メディアで働く友人たちにはわざと黙っていた。
このインタビューがどういう経緯で行われたのかについて、私は知らないが、国王が日本メディアを利用しようと考えた意図はよくわかる。
王制に対してシンパシーを持つ国民性の国と理解してのことだろう。
何か“動き”に出る前に、国内外のメディアを通じて、自分の意図を小出しにするのは、この国王が良く使うやり方である。
最近、国王が活発にさまざまな人と会っているという記事が週刊紙「ガトナ・ラ・ビチャール」などにも掲載されていたが、何を企んでいるのだろうか。




