第7回 有事=戦争法制システムの真の狙い

小泉政権が今国会に提出する有事関連7法案の狙いとは何か。「後方地域支援」から「武力攻撃事態」にいたる有事法制のシナリオを読む。

姿を見せた米軍行動円滑化法案と周辺事態法のつながり
小泉政権は自衛隊のイラク派兵を強行したあと、昨年成立した武力攻撃事態法など有事3法に続く有事関連7法案を今国会に提出する。有事=戦争法制システムを一気に築きあげようとする企図が明らかになった。
この7法案には米軍行動円滑化法案と呼ばれるものが含まれている。これは、いわゆる日本が武力攻撃を受けた場合の「日本有事」に際して、自衛隊と共同で軍事行動する米軍を支援する制度をつくるための法案だ。

具体的には、武器・弾薬・燃料・水・食糧などの軍需物資と、それらを補給し輸送する日本側の役務、港湾や空港などの施設を、米軍に対して提供できるようにするための制度づくりである。
つまり、在日米軍基地や自衛隊の基地だけでなく、民間港や民間空港をも米軍が使用し、日本政府は提供する軍需物資を輸送運輸関連の民間企業に運ばせ、港と空港の管理や給水業務、廃棄物処理などを自治体にさせる、ということだ。

米軍の戦闘行動を官民あげて支援することが目的である。
この米軍行動円滑化法案なるものが出てきて、いよいよ有事法制の危険な本質がはっきりした。そのことを説明するためには、1999年に成立した周辺事態法についてふれておかなければならない。

周辺事態法は、「そのまま放置すれば我が国に対する直接の武力攻撃に至るおそれのある事態等我が国周辺の地域における我が国の平和及び安全に重要な影響を与える事態」として「周辺事態」なる政府の造語を用い、あいまいな概念を設けている。そして、「周辺事態」で武力行使する米軍を自衛隊と自治体と民間が後方支援するための制度が定められた。

「周辺事態の概念は地理的なものではなく、事態の性質に着目したものである。その範囲は限定されない」と政府は詭弁を弄している。これでは、アジア・太平洋地域で、紛争への軍事介入やイラク侵攻型の先制攻撃など、米軍が独自の世界戦略にもとづいて起こす戦争に、日本が官民あげて協力することにもなりうる。
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