90年代後半の「苦難の行軍」期の闇市場の様子。痩せた若い兵士が食事をしている。1998年9月江原道の元山市にて撮影アン・チョル(アジアプレス)

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1997年7月、北朝鮮の平安北道から中国に脱出して来たドンミョンとアン・チョルに話を聞いた。

――餓死者まで出るような惨状なのに、北朝鮮では暴動や人民蜂起は起こっていないのか?

「それは今の北朝鮮ではあり得ませんよ。相互監視が徹底しているから、反政府的な考えを他人に喋るということができない。密告されると本人だけでなく家族にまで累が及んでしまう。友人であっても、将来仲違いする可能性もあるから喋らない。他人に意思を伝えられないということは、横のつながりができないということ。だから組織的な反対行動は非常に困難なのです。そのような動きは事前に察知されて全部潰されてきました」

――自然発生的な暴動は?

「それも困難です。反対行動は無慈悲に、徹底して潰されるから。暴動を起こすなんて自殺行為にしかならない」

―単独での抗議行動、たとえば夜中にビラを撒くとか、落書きするとかは?

「それも自殺行為に等しいですよ。私はこれまで見たことも聞いたこともないですね」
(しかし、1999年以降中国に逃れてきた難民は共通して、政府批判ビラや落書きの類の事件が、少しずつ増えていたと証言している)

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