日本人2人が取材した短編ドキュメンタリー「香港画」。膨大な映像を28分にまとめた。(映画「香港画」より・堀井威久麿撮影©Ikuma Horii)

◆香港人同士が民主派と新中派などに分断される現実

逃亡犯条例改正をきっかけに激化した香港民主化デモ。その渦中で2人の日本人が取材した短編ドキュメンタリー「香港画」の公開が東京で始まった。

監督の堀井威久麿さん(39)は2019年10月、仕事で香港滞在中、メインストリートでバリケードを築くデモ隊に遭遇した。驚かされたのは参加者の若さだったという。高校生やあどけなさの残る中学生までもいた。

使用した機材やヘルメットなどを前に撮影当時を話す堀井監督(写真右)前田プロデューサー(2020年12月18日、大阪市淀川区・栗原佳子撮影)

同年2月、香港政府が逃亡犯条例改正案を発表。同改正案の完全撤回、普通選挙の実現など民主化五大要求を求める大規模デモが始まり、デモ隊と機動隊との衝突が激しさを増していた。

堀井監督が発信する映像に心動かされたのがプロデューサーの前田穂高さん(29)だった。2人は民主化を訴える在日香港人らの団体を訪ねるなど国内で準備を重ね、同年11月、香港へ渡った。2020年の元旦までの1カ月半、デモの最前線で、催涙ガスやマスタードスプレー、高圧の放水を浴びながら撮影を敢行した。負傷し、拘束されたこともあったという。

「共助」の精神が息づく香港で、香港人同士が、民主派と親中派、デモ隊と警察などと、分断される現実。作中、異色の経歴の人物がインタビューに応じている。キャシー・ヤウさん(36)。デモに対する過剰な暴力などを疑問視し、警察を退職した区議会議員だ。
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