ジャーナリズムの世界における「収入格差」は拡大するばかりである。先に名前を挙げた錚錚たる映像ジャーナリストたちですら、生涯賃金(60歳までの退職金を除いた総額)の平均は1億前後から1億数千万円だろう。

日本の男性・正社員の平均は2億3500万円、非正社員で1億3500万円(07年7月7日付け朝日新聞)というから、男性・非正社員の収入に近い。

一方、仕事先であるテレビ局の場合、朝日放送、フジテレビジョンの社員で6億2200万円、日本テレビで5億6500万円(「プレジデント」07年5月14日号)など。

退職金も含めて年金など、退職後から死亡するまでの収入も算入すれば、テレビ局の社員と比べた場合、フリーランスの総収入は大雑把に見積もって五分の一以下である。

ここまで「格差」が開くと、誰でもフリーランスを選ぶことに二の足を踏むのは当然だ。事実、私も講義を担当している早稲田大学の「ジャーナリズム演習」の受講生(ほぼ全員がジャーナリスト志望の学生)たちに尋ねても、最初からフリーランスを目指す者は昨年も今年もひとりもいなかった。
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