DSC02422.JPG【警戒を続ける「守る会のボート」。学生が同乗している。向こうに見えるのが、キャンプ・シュワブと滑走路建設予定の海】撮影:柳本通彦

「海上空港」3
もともと普天間基地の機能を名護市に移すという計画が持ち上がったときは、辺野古の沖合いの海上が滑走路建設予定地になっていた。それを人々の反対運動で阻止した結果、新しく登場したのが、沿岸建設案である。

すなわちキャンプ・シュワブに乗っかる形で長方形の空港を建設するというもの。このプランと航空写真を重ね合わせると、下の写真のようになる(「守る会」提供)。
赤いV字が滑走路で、白く囲った部分の海がコンクリートで埋め立てられる。陸地の岬部分は現在のキャンプ・シュワブで、こうしてみると事実上の基地拡張案ともいえる。

DSC02441.JPG空港は左右の湾に張り出しているが、左手が辺野古、右手が大浦湾である。すなわち最終計画案では、「辺野古」だけでなく、大浦湾を含むより広い範囲の自然環境と住民の生活が危機に瀕する。
繰り返すが、これはまさに日本列島の形をゆがめる大工事となる。

米軍は、自分たちへの反感を抑えられないとみて、とりあえず普天間の基地を返還すると言い出した。しかしそれは実はこの海上空港建設への布石に過ぎなかった。しかもこの沿岸建設案は、米軍にとっては沖合い案よりずっと都合がいい結論だったはずだ(滑走路が沖合いにあれば当然不便)。
権力というものは、譲歩したように見せて、最終的に自分の欲望を最大限満たそうとするものである。

大浦湾はジュゴンが訪れる海として知られる。日本では数少なくなってしまった自然の入り江だ。ここには那覇軍港の機能が移される可能性もあり、キャンプ・シュワブ、海上空港とあわせて沖縄本島北東部沿岸に巨大な出撃基地が、まるでガンダムを組み立てるように立ち上がっていく「近未来」がみえてくる。

日本の各地から、そうした危機感をもって、さまざまな経歴の人びとが集まり、滑走路建設を阻止しようと座り込みを続けてきた。実際に作業が開始されたいま、海上での阻止行動も必要だというわけで、その人たちが、自ら次々に船の操縦免許をとっていることに驚いた。
彼らはゴムボートを操って、海上の警戒を続けているのだが、日本政府に雇用されている側の船もまた沖縄の人たちの船なのである。
こののどかな海で、県民同士、仲間同士が対峙し、たたかっている。いや、たたかわされているのだ。