▲「16歳です」。撮影者の問いにそう答えた女子中学生。身なりからコチェビ(ホームレス)ではなさそうだが、ひどい痩せようだ。2008年8月 黄海南道の海州(ヘジュ)市にてシム・ウィチョン撮影 (C)アジアプレス

▲「16歳です」。撮影者の問いにそう答えた女子中学生。身なりからコチェビ(ホームレス)ではなさそうだが、ひどい痩せようだ。2008年8月 黄海南道の海州(ヘジュ)市にてシム・ウィチョン撮影 (C)アジアプレス

 

先月28日に開かれた朝鮮労働党代表者会と、今月10日に平壌で挙行された労働党創建65周年の軍事パレードは、金正恩(キム・ジョンウン)氏のデビューのための最重要イベントであった。
そのため、ふたつの行事の前後合わせて1か月間、北朝鮮全土は厳戒態勢が敷かれ、内部からの情報がなかなか出にくい状態にあった。

アジアプレスの北朝鮮内部の取材パートナーたちからも、最近になってようやく報告がもたらされるようになった。
以下は、咸鏡北道に居住するイム・チョミ通信員との電話による報告をまとめたものである。

:党代表者会に対する一般人民の反応は?
イム通信員:党代表者会には、ある意味人民は期待していた。今、北朝鮮は経済状態が極めて悪く暮らしが大変だ。党代表者会では、てっきり(後継者問題以外に)深刻な経済難についても討議されると思っていたからだ。
ところが、人民の生活苦については全く話されなかった。失望は大きく、人々は集まると不満や文句を言っていた。こんな経済状態では、(政権は)もう何年も持たないだろうとも言い合っている。

:金正恩が公式に登場したことについての反応はどうか?
イム通信員:昔の王朝と同じではないかと言い合っている。人民の生活苦を解決しようなんていう思いはこれっぽっちもなく、(金一族は)自分たちの執権を続けていくことだけしか考えていない。党代表者会もそのためのものだったと、失望している。

:金正恩の後継に期待することはないということか?
イム通信員:金正恩に期待なんかないけれど、若いからもしかしたら今までとは違うことをやるかもしれない。彼の父親(金正日総書記)は何もできない奴だとずっと言われ続けてきたけれども。
(取材 中国延吉=パク・ヨンミン、整理 石丸次郎)

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