◇茂山鉱山の労働者に豚肉、飴、酒、菓子などを配給か
来たる1月8日は金正日総書記の三男・金正恩氏の誕生日である。この日を祝うために一般住民に特別配給が予定されていることが、北朝鮮内部の取材パートナーからの電話でわかった。

北朝鮮で発行された2011年度版カレンダーの表紙と1月分の中身。金正恩氏の誕生日である1月8日は黒字で表記されており、平日扱いになっている。こうしたカレンダーは市場に行けば3000ウォン(約150円)程度で売られているという。(写真はデイリーNK提供。8日の赤い丸の部分は編集部で挿入)

 

北朝鮮では、故金日成主席の誕生日である4月15日と、金正日総書記の誕生日の2月16日は祝日となっているが、次期後継候補の金正恩氏の誕生日をどう扱うかが注目されている。正恩氏に対する偶像化作業の進め方を計る物差しになるからだ。

咸鏡北道に住む取材協力者の30代の女性は4日、アジアプレスとの通話で
「茂山(ムサン)鉱山の労働者には正恩の誕生祝いの贈り物だとして豚肉、酒、飴、菓子が5日から特別配給されることになった。どれぐらいの量なのかは出てみないとわからない」
と語った。

一方、平安北道に住む取材パートナーのキム・ドンチョル氏は
「正恩誕生祝いの行事は、特別に準備されているものはない。人民班(末端の住民組織)や職場でも特に動員はかかっていない。幹部や軍部隊のことはわからないが」
と、昨年末の電話で伝えてきている。

なお、正恩氏は83年生まれとされているが、北朝鮮は公式な生年を発表していない。
アジアプレスでは北朝鮮北部地域の数か所に中国の携帯電話を送り、日常的に内部情報を伝えてもらっている。(中国延吉=パク・ヨンミン)

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