中国側から北朝鮮の茂山(ムサン)郡をのぞむ。奥に見えるのが茂山鉱山。茂山鉱山の労働者に金正恩の「配慮」による特別配給がふるまわれたと、北朝鮮内部の取材パートナーが伝えてきた。2010年7月 アジアプレス撮影(アジアプレス)

 

◇茂山(ムサン)鉱山の労働者全員に対し、魚や食用油などを

1月8日の金正恩氏の誕生日に、特別配給が行われていたことが9日、北朝鮮内部の取材パートナーからの電話で明らかになった。
咸鏡北道に住む取材協力者の30代の女性は9日、アジアプレスとの通話で
「1月5日から茂山鉱山のすべての労働者に対し、『金正恩大将の配慮』という名目で特別配給が行われた。食用油500グラム、魚1キロ、歯ブラシと手ぬぐい1つずつという内容だった。配給品に酒が含まれるとの噂があったが、実際には無かった」
と語った。

茂山鉱山とは、咸鏡北道の茂山郡に位置する北朝鮮最大かつ、アジア最大級の埋蔵量を持つ鉄鉱山で、1万人から2万人の労働者が働いているとされる。茂山鉱山から産出される鉄鉱石は、北朝鮮の製鉄業活性化のため欠かせないことから、鉱山を管理する茂山鉱山連合企業所は、北朝鮮の重要生産施設である「特級企業所」に指定されている。

また、中国との国境地帯に位置している関係から、鉄鉱石の輸入を図る中国側からの投資が進んでおり、エネルギー難と施設の老朽化に悩む北朝鮮の企業所の中でも、比較的稼動が安定している。

今回の特別配給には、このような茂山鉱山の重要性に加え、中国からの投資により物資に多少の余裕があることが関係しているものと思われる。
なお現在、北朝鮮の他の地域や企業所などでの特別配給は確認されていない。
(中国延吉=パク・ヨンミン)