写真1(写真1〜9:2011年7月平安北道 キム・ドンチョル撮影[これらの写真の説明は本文にて])

写真1(写真1〜9:2011年7月平安北道 ク・グァンホ撮影[これらの写真の説明は本文にて])

 

金正日政権は、軍隊を最優先にし、軍隊を中心に体制運営をして行こうという「先軍政治」を掲げていた。金正恩氏を後継者に決めた新体制も、この「先軍路線」の継承をするとしているが、肝心の兵士たちが飢えに苦しんでいる。軍隊に栄養失調が蔓延しているというのは二〇年以上も前から指摘されてきたことであり、その証言と報告は枚挙にいとまがない。北朝鮮では「軍に入隊することは飢えること」というのが社会常識になっている。なぜなのか? その実態と構造を報告する。

1 ビデオカメラが捉えた飢える兵士 I
[1]栄養失調で護送される工兵の一団 [平安南道]

取材:ク・グァンホ 整理/解説:石丸次郎

まずは人民軍兵士たちを撮った写真(1〜9)を見ていただきたい。窪んだ目は虚ろで、焦点も定まらないように見える。頬骨は浮き出て、細い首で何とか支えている頭は、彼らには重過ぎるように見える。軍服はぶかぶかだ。何人かはすっかり虚脱してしまい、うつむいたまま全く動かない者もいる(写真2、3)。

写真2

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写真3

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写真4

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写真5

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写真6

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写真7

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