キム:それで、ご飯はどれくらいもらってるんだい?
兵士1:......言ってよいものか......。あまりにもみじめで言えません。
兵士2:おぞましくて......。

キム:なぜ? みすぼらしすぎて? トウモロコシ飯は出るの?
兵士1:トウモロコシでも腹一杯食べられれば......。
兵士2:トウモロコシでも食べられればいいですよ。
兵士1:こんなことを喋ってしまうと、指揮官を裏切ることになるんですが、今はすべてが「自体解決」なんです。食事から何まで自力で(調達する)。
兵士2:あまりにも情けなくて口に出せませんよ。

キム:実際にそうなんだから、克服しなきゃいけない。飯を食うには軍官学校がいいのかな、それとも部隊がいいのかな?
兵士1:軍官学校にいるときの方が肉体的には楽ですけれど、(部隊にいると)家から送金もあるし両親が来てくれるので食べることに関してはましです。僕の場合は(実家のある)江原道から峠( 鉄嶺[チョルリョン]と呼ばれる峠がある)を越えて来なければいけないので、(現在は)連絡も取れず、両親も来られないので辛いですね、ここは。
兵士2:家族は僕がここにいることすら知りません。ここ数日はお腹がとても空いています。

キム:君たちの中隊の人員はどれくらいなの?
兵士1:一〇〇人位です。

キム:栄養失調の兵士は一〇〇人の中で三〇%位になるの?
兵士1:春になったら五〇%がそうなりますよ。

キム:いつからそうなったの? 以前はもう少しマシだったんじゃないかな?
兵士2:もうすぐもっとひどくなりますよ。ジャガイモの季節(六月)になったら、ジャガイモばかり食べることになります。七つずつ。

キム:ジャガイモ七つだけ? じっとしていても栄養失調になりそうだ。
兵士2:外に出て作業でもすれば気も紛れるのに、座って勉強ばかりしていると......。

キム:腹が減るといろんな考えが浮かぶだろうね。
兵士1:その通りです。いろんなことを考えます。

キム:君はもともとはどこの部隊に服務していたの?
兵士1:祥原(サンウォン)郡です。

キム:祥原? あそこは平壌(ピョンヤン)だから大丈夫じゃないの?(注2)
兵士1:(市街地への)交通の便が良ければ軍隊の暮らしもましですけど、山の方にいたので大変でした。
兵士2:兵士たちはひたすら山の草を採って食べていますよ。

キム:軍官たちには配給があるの?
兵士2:中隊級にはあるんですが、大隊級にはありません(注3)

キム:大隊級には無いの? それでも本人はもらえるんじゃないの?
兵士1:本人にはありますが家族になんて......。何ヶ月分も遅れてます。食糧が入ってくれば配給があるし、入ってこなければ無いし。

注1 人造肉:大豆油の搾りかすを固めて乾燥させた食材。水に戻して野菜といためて食べる。食感が肉に似ている。
注2 祥原郡は一〇年に平壌から切り離され黄海北道に編入された。
注3 中隊と大隊でなぜ待遇に差があるのかはよくわからない。