呼び出し音は「金日成将軍の歌」?

北朝鮮の携帯電話をめぐっては、日韓でさまざまな噂が飛び交っている。例えば着信音は「金日成将軍の歌」で、待ち受け画面は故金日成主席の肖像画 (あるいは金正日総書記)、一日数回、「教示」と呼ばれる金総書記の「お言葉」がメッセージで送られてくるなどなど......。噂の真相は何なのか、 ク・グァンホ記者にぶつけてみた。

「朝鮮ではそんな話は聞いたことがない。着信音は、中国の携帯電話と同じように、自分が好きな歌を取り込んで自由に設定できようになっている。韓国 の歌を着信音にしているのがばれたら検挙の対象になるけどね。大きい声では言えないが、私はこっそりある外国の歌を着信音にしている。将軍様の『お言葉』 がメッセージで送られてくるなんて知らない」。

このように一笑に付されてしまった。一方、与えられる電話番号は北朝鮮ならではである。ク・グァンホ記者の説明。

「携帯電話の番号は、すべて《1912》で始まる。その後に六桁の番号が続くので全部で一〇桁ということになる。番号はすべて逓信所で割り当てられるため、自分の好きな番号を選ぶことはできない」

《1912》とは、言うまでもなく故金日成主席の生年だ。しかしこれでは、実質的には六桁の番号ということになり、一〇〇万を超える番号は割り当て られない計算になる。《1912》以外の上四桁の番号が存在するのか(例えば金総書記の生年とされている《1942》とか)、下の桁数が異なる番号が存在 するのか、不明である。

(つづく)

〈リムジンガン〉北朝鮮デジタルIT事情 一覧

★新着記事