◆「図們経済開発区」 北朝鮮労働者の姿は見えず
(中国延吉=パク・ヨンミン/整理 リ・ジンス)

中国吉林省、図們市内にある「図們経済開発区」の案内板。下から二番目に「朝鮮工業園区」とある。現在、区内では北朝鮮から派遣された労働者が働いているとされるが姿はまったく見えなかった。今月19日、パク・ヨンミン撮影(アジアプレス)

中国吉林省、図們市内にある「図們経済開発区」の案内板。下から二番目に「朝鮮工業園区」とある。現在、区内では北朝鮮から派遣された労働者が働いているとされるが姿はまったく見えなかった。今月19日、パク・ヨンミン撮影(アジアプレス)

 

中国吉林省の延辺朝鮮族自治州を構成する8つの市縣うち、5つの地域が北朝鮮と国境を接している。ここ数年、これらの地域には北朝鮮の経済開放を見据え、大規模な投資が官民問わず行われている。中でも北朝鮮東北部の良港・羅津(ラジン)港に近い琿春市と、その隣に位置し、鼻先に北朝鮮の穏城(オンソン)郡を臨む図們市は、企業誘致などで経済開発を進めている。

記者は19日、図們市の「図們経済開発区」を訪れた。同開発区の設立は1992年。市内中心部から車で10分ほど離れた、吉林省を横断する高速道路に直結する閑静な地区に位置している。先端科学工業から、林業、被服業など多彩な企業が入居しており、現地紙『延辺日報』によると、同開発区における昨年の生産総額は21.8億元(約260億円)と、前年に比べ30%増加したという。

区内には「朝鮮工業園区」が設置されており、北朝鮮から派遣された労働者が勤務しているとされる。それらしい場所を訪ねてみたが、入り口は厳重に警備されていて、内部の様子までは分からなかった。地元の住民に尋ねてみても、詳細は知らないとのこと。北朝鮮人労働者の姿はまったく見かけなかった。一方で、「市内に建設中の高速鉄道はいずれ北朝鮮にまで延びるもの」と受け止められているなど、現地では北朝鮮との経済的な結びつきへの期待が強いことがうかがわれた。

国境の川・豆満江を挟んで左側が中国図們市、右側が北朝鮮の穏城(オンソン)郡。今月19日、パク・ヨンミン撮影(アジアプレス)

国境の川・豆満江を挟んで左側が中国図們市、右側が北朝鮮の穏城(オンソン)郡。今月19日、パク・ヨンミン撮影(アジアプレス)