(参考写真)2013年12月12日国家安全保衛部特別軍事裁判で死刑判決を受けた張成沢氏(労働新聞より)

◇「処刑」翌日の夜に平壌市内で連行との情報
(本紙特約=「デイリーNK」イ・サンリョン記者)
北朝鮮が「政変陰謀」の疑いで、張成沢(チャン・ソンテク)国防委員会副委員長の処刑を断行した後、数百人にのぼる親類を政治犯収容所に強制移送する措置を取っていたことが分かった。

平壌に住む取材協力者は20日、デイリーNKと通話で
「張成沢が処刑されたすぐ翌日の13日夜10時、張成沢の親戚が集る平壌市内の平川(ピョンチョン)区域の家庭に、国家安全保衛部(情報機関)所属の軍人たちが押し入り、数百余名を連行した。政治犯収容所に移送したと聞いている」
と明かした。

さらに
「張成沢の近い親戚だけでなく、家長が張成沢の父親の親戚程度の関係者まで連行した。こうした状況では、平壌だけではなく他の地域にいる親戚も無事ではないだろう」
と、連行された人々について説明する。

この取材協力者によれば、「張成沢処刑」の報に衝撃を受けた住民たちは、深夜に隣の家族が急に消えるのではないかと恐怖を感じているという。また、張氏の処刑が自分に関わってくるかもしれないと考える一部の住民たちは、処罰を予想し、あらかじめ(重労働の)農村や炭鉱に行き「自主革命化」をしているとのことだ。

だが、こうした動きにも「処罰を免れることは難しい」と取材協力者は語る。「張成沢の罪が『反党・反革命行為』(という重罪)と明らかになっただけに、(当局は) 一家の親戚も体制に反逆したという主張をせざるを得ず、厳重な処罰が下ろされるものと見られる」という。

張氏一族の連行という政府の措置の背景には、住民に恐怖を植え付け内部の動揺を遮断する目的があるものと思われる。こうした状況について取材協力者は、「当局が発表した張成沢の罪状について疑問を抱く住民たちが多いが、(混乱の中で罪をこじつけられ)自分たちに火の粉が降りかからないよう、言葉を控えている」と伝えた。

さらに、張氏処刑の余波は住民の経済生活にまで及んでいると、この取材協力者は明かす。
「当局は、『正常に生活をする者には関係がない』として、市場など住民生活に関連する統制を強めてはいないが、いつ何がおきるか分からないと考える住民たちが多い。実際に市場に出て商売をする住民が減ってきている状況だ」。
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