阪南医療生協診療所(岸和田市)の眞鍋穣医師(写真)は福島県からの避難・移住者の健診も実施。検査結果は必ずCDで本人に渡している。(撮影:新聞うずみ火)

阪南医療生協診療所(岸和田市)の眞鍋穣医師(写真)は福島県からの避難・移住者の健診も実施。検査結果は必ずCDで本人に渡している。(撮影:新聞うずみ火)

◆すべての被災者に必要な検診や医療が受けられる仕組みを

そもそも、広島長崎の原爆でも、国は内部被爆の影響を軽視し続けてきた。原爆症認定集団訴訟で原告側の証人にも立った阪南医療生協診療所(岸和田 市)の眞鍋穣医師は、原爆投下から13日目に救護活動に入った当時の広島・三次高女の生徒たちの例を挙げる。23人中14人が50代までに死亡、76歳時 点の生存率も、平均の半分近かったという。

眞鍋医師や、同じく原爆症認定訴訟に関わってきた東神戸診療所の郷地秀夫医師は避難・移住者の健診も実施。甲状腺はもちろん血液検査や心電図、腫瘍マーカーなど必要な検査を希望に応じ実施しているという。

「放射能障害は全ての病気が出てきます」と郷地医師。検査結果は必ずCDで本人に渡す。「形で残しておかないと次に別の医療機関で受診したとき情報 がないということになる。もともと本人の個人情報を見せない、説明しない医療機関で検査を受ける意味はどこにあるのか、研究材料にしているだけではないで しょうか」と憤る。

12年6月、「原発事故子ども・被災者支援法」が成立。翌13年10月に「基本方針」が策定された。しかし被災者たちが求める「子どもでも大人で も」「被災地でも県外でも」必要な医療や検診を受ける仕組みについての言及はないままだった。国が、放射能汚染と健康被害との因果関係を頑なに認めていな いからだ。

<<前へ |

【矢野宏、栗原佳子 新聞うずみ火】