◆自治体は推進派。市民は......

R:国と電力会社が再稼動を急ぐのはある意味分かるのですが、自治体については、例えば新潟県知事の言い方と福井県知事の言い方が違うように、自治体によって色々と対応の差が出てきているように思います。この鹿児島県の場合はどうでしょうか。

小出:伊藤知事という方がかなり強力に川内原発の再稼働を要請しています。ですから、地元の要請があるということも、恐らく規制委員会としては大きな理由づけにしようと思っているのだと思います。

R:県知事が一生懸命になる最大の理由は、やはりお金ですか。

小出:もちろんお金です。もともと立地をさせられてしまった時も、建てさせてくれるならば「電源三法の交付金が 下りますよ」「固定資産税が下りますよ」「お金が入りますよ」 という事で、原子力発電所を押し付けられてしまったわけです。川内原発の場合、30年も運転していますので、 固定資産税はどんどん減って、電源三法交付金もほとんど減っているわけで、とにかく何とか新しくまたお金が欲しいということに、自治体としては落とし込め られてしまっているのだと思います。

R:そうすると、確か川内原発は3号機の新設を東日本大震災の直前あたりにやっていたと思うのですが、それも再開される可能性があると見ていいのでしょうか。

小出:はい。安倍さんという人が現在首相の座にいて、原発再稼働はもちろん、新規の建設もやる、海外にも原子力発電所を売るとまで言っているわけです。川内原発3号機の新規建設も、やられてしまう可能性はやはりあるだろうと思います。

R:市民の反応はどうなのでしょう。

小出さん:
たぶん、みんな不安だろうと思います。 例えば、福島の事故が起きた後に、関西電力の大飯原子力発電所が 一時期再稼働したことがあったのですが、 その時、大飯の町民にアンケートを取ったところ、「事故が不安だ」とほとんどの方はそう言ったのです。ただ、再稼働に賛成か反対かと問うと、今度は賛成と いう人が半分を超えたということだったのです。
つまり、不安だけどもやっぱりお金のためには動いて欲しいという、 そういう引き裂かれた感情になっているのだと思います。

R:厳しいですね。それについて私たちが外から何か偉そうに言えるのかという問題もありますが......。

小出:そうですね。非常に苦しい状況に地元が既に追い込まれてしまっているわけですから、その苦しさを何か別の形で補償できるような仕組みを作らないと、ますます苦しいところに追い込められていくのだろうと思います。