福島第一原発事故以来、初めて原発が一つも稼働しない夏を迎えている。原発なしでは電気が足りなくなると国や電力会社は繰り返し宣伝しているが、果たして本当なのか。京都大学原子炉実験所・助教の小出裕章さんに聞いた。(ラジオフォーラム

京都大学原子炉実験所・助教の小出裕章さん

京都大学原子炉実験所・助教の小出裕章さん

実は13年夏も足りていた

ラジオフォーラム(以下R):2013年夏は大飯原発が稼動していたため、本当の意味で原発ゼロの夏というのは、今年が初めてです。そんな中、関西電力と九州電力は、この夏の電力供給が綱渡りになると言っていますが......。

小出:関西電力は、日本の電力会社の中では原子力に頼る比率が一番高く、原子力発電に重きを置いてきた会社です。その会社が一つも原子力発電所を動かせないわけですから、厳しいのは当然です。

ただし、日本というこの国では、火力発電所と水力発電所が膨大にありまして、いついかなる時にも原子力なんて全く不要なのです。例えば、仮に関西電 力で少し電気が足りなくなったとしても、他の電力会社から融通を受けるということも当然できるわけです。「足りない、足りない」と言いながらも、実際は全 く問題なく乗り越えられます。

R:そもそもこの3年間、「原発を動かさなかったら絶対無理だ」という雰囲気がありましたけど、結局、乗り切ってきましたよね。

小出:もちろんです。2013年には大飯の3号機、4号機が動いていて、二つ合わせて270万キロワット分ぐらいを発電していましたが、その代わりに、関西電力は300万キロワット分の火力発電所を停止させていたのです。

R:つまり、300キロワットの火力を動かしていれば、13年夏だって問題なかった。

小出:なんでもありませんでした。別に大飯原発を動かさなくても足りていました。今年だって問題なく乗り切れます。
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