◆このまま東電に任せていいのか

R:先に東京電力に債務処理させて倒産させる。そして国がやるべきところは国がやる。本来そうあるべきだったのに、それが出来なかったことに大きな問題があるのではないでしょうか。

小出:はい。私はそう思っています。もう東京電力など何回倒産してもあがないきれないほどの 被害が実際に出ているわけですので、東京電力はきちんと破産させる。倒産させて、もう国がやるしかないということをはっきりとさせた上で国の責任でやるべきだと私は思います。

R:恐らく、その株主とかお金を貸している銀行などに気がねをしたのかなと思うのですが、どうでしょうか。

小出:私もそう思います。要するに、東京電力の大株主は大銀行なわけで、そういうところに損害を回さないというのが日本の政治のあり方なのだと思います。

R:大銀行や東京電力から献金をもらっている人たちが決めているので、そういうことになったわけですね。

小出:そう思います。

R:NHKではドキュメンタリーの中で廃炉に2兆円という数字を出しましたが、2兆円で収まりますかね。

小出:収まるはずがない。廃炉の工程にはあと何十年もかかるわけです。東京電力の工程表でも40年はかかると言っています。これからますます厳しい仕事が次々と起きてくるわけで、2兆円なんかで済む道理がないと私は思います。

R:今からでも遅くないですから、東電を破綻させて、国がリーダーシップを取ってやるべきですね。

小出:はい。 もう一刻も早くそうすべきだと思います。
チェルノブイリでは、作業員の被曝線量の抑制や賃金面において、様々な施策が行われている。一方、日本では東電任せで国がほとんど何もできていないのが実 情だ。その上、2020年の東京五輪開催に向けて、給料の高い首都圏に労働者が流れている。このまま一民間企業に任せていては、更に廃炉が遅れる可能性が 出てくるだろう。国が廃炉をバックアップしていく体制をきちん確立していく必要がある。

「小出裕章さんに聞く 原発問題」まとめ