◇強引な植林事業

金正恩氏の「すべてのはげ山を樹林化」という強い指示に基づいて、苗木の植林が各組織に割り当てられている。3月31日に、ペク・ヒャン氏が伝えて来た新たな情報を紹介しよう。対象となる「個人畑」の耕作者たちは苗木を植えた脇に作物を植えて「対抗」していると言う。

「住民たちは無条件に植えろと言われた苗木の脇に堆肥をまいて、苗木より小さな作物を植え始めた。小豆やゴマなどだ。これなら、植林も畑も同時にできるというわけだ」

ペク・ヒャン氏が行政委員会(地方政府)の幹部に、金正恩氏の命令もいつかうやむやになるのではないかと訊いたところ、「今回の山林造成は、これまでの指示、命令と厳格さの次元が違う。気を付けなければならない」と答えたという。

金正恩政権が「10年」という期間まで定め、山林資源の復旧に向けた動きを活発化させていることは注目に値する。一方で、今回の措置が厳格に実行されると、「個人畑」に依存して来た多くの住民にとっては死活問題だ。

90年代以来、民衆が山の木を切って開墾したのは、国家が食糧供給能力を喪失したからである。住民の食べる問題の解決を放置したままで「個人畑」を制限・植樹を強いても、荒廃した山が果たして回復するのか、はなはだ疑問である。