「この夏までに成就させる」。安倍首相は米国に対する「公約」を優先し、国民の不安や懸念を無視して安全保障関連法案を衆議院で強行採決した。それに対し、これまで政治とは無縁だった普通の若者たちも怒りの声を上げている。(矢野 宏 新聞うずみ火)

プラカードを持ち、抗議の声を上げる若者たち。ツイッターやフェイスブックでつながった。(大阪ミナミで7月撮影 矢野宏)

プラカードを持ち、抗議の声を上げる若者たち。ツイッターやフェイスブックでつながった。(大阪ミナミで7月撮影 矢野宏)

 

◆国会周辺デモ~「参加者の若者たちに勇気をもらった」との声も

安保法案が衆院特別委員会で強行採決された7月15日夕方、法案に反対する人たち2万5000人(主催者発表)が東京・永田町の国会周辺を埋め尽くした。

障害者施設を応援する全国組織「きょうされん」大阪支部事務局長の雨田信幸さん(48)もこの日大阪から駆けつけた。「戦争法案の行く末を自分の目で確かめ、反対の意思を表明したいと、居ても立ってもいられない思いから」だ。

国会正門前に仮設された壇上で、若者たちがマイクを握り、ラップ調で「憲法を守れ」「勝手に決めるな」「民主主義って何だ」などとコールを繰り返 す。それに合わせて参加者たちも一緒に声を上げる。学生たちで組織する「SEALDs」(シールズ=自由と民主主義のための学生緊急行動)。学生たちが大 学の枠を超えてツイッターやフェイスブックなどを通じ、「安保法制反対」という一点でつながっている。

「『若者は何やってんだ』『本気か』って言われてきた。大人との溝はあった。でも、みんなここに集まっています。このことに希望を持ちたい。メン バーとの間で、未来の自分の子どものことの話になる。どんな社会を手渡せるのか。諦めたくない、後悔したくない。頑張って、100年間戦争しなかったと歴 史をつくりたい。憲法無視は、国民無視と同じこと。非暴力、不服従で頑張り抜きましょう」と雨田さんは話す。

若者たちのコールやスピーチが法案の問題点を的確に指摘しており、未来を見据えていることにも感銘を受けたという。
「若者たちは給水車を準備するなど、細やかな配慮もしていました。仮設された壇上が撤収された後もコールはとどまることなく、それに応える声が幾重にも重なり、大きな声になって響き合っていました。若者たちにとても勇気をもらいました」。