憲法違反を指摘され、安倍首相はじめ中谷防衛大臣らのお粗末で矛盾・齟齬だらけの答弁が繰り返されて来た「安保法案」。会期末を目前にして国会は緊 張しているが、今一度その中身を確認したい。「安保法案」は <国際平和支援法案>という新法案が一本と、関連法を十本まとめて改定しようと いう<平和安全法制整備法案>だ。 その全文をあらためて読んでみよう。一回目は新法の<国際平和支援法案>。(石丸次郎)
国際平和支援法案全文

国際平和共同対処事態に際して我が国が実施する諸外国の軍隊等に対する協力支援活動等に関する法律

目次
第一章総則(第一条―第三条)
第二章対応措置等(第四条―第十一条)
第三章雑則(第十二条―第十五条)
附則
第一章 総則

(目的)
第一条 この法律は、国際社会の平和及び安全を脅かす事態であって、その脅威を除去するために国際社会が国際連合憲章の目的に従い共同して対処する活動を 行い、かつ、我が国が国際社会の一員としてこれに主体的かつ積極的に寄与する必要があるもの(以下「国際平和共同対処事態」という。)に際し、当該活動を 行う諸外国の軍隊等に対する協力支援活動等を行うことにより、国際社会の平和及び安全の確保に資することを目的とする。

(基本原則)
第二条 政府は、国際平和共同対処事態に際し、この法律に基づく協力支援活動若しくは捜索救助活動又は重要影響事態等に際して実施する船舶検査活動に関す る法律(平成十二年法律第百四十五号)第二条に規定する船舶検査活動(国際平和共同対処事態に際して実施するものに限る。第四条第二項第五号において単に 「船舶検査活動」という。)(以下「対応措置」という。)を適切かつ迅速に実施することにより、国際社会の平和及び安全の確保に資するものとする。
2 対応措置の実施は、武力による威嚇又は武力の行使に当たるものであってはならない。
3 協力支援活動及び捜索救助活動は、現に戦闘行為(国際的な武力紛争の一環として行われる人を殺傷し又は物を破壊する行為をいう。以下同じ。)が行われ ている現場では実施しないものとする。ただし、第八条第六項の規定により行われる捜索救助活動については、この限りでない。
4 外国の領域における対応措置については、当該対応措置が行われることについて当該外国(国際連合の総会又は安全保障理事会の決議に従って当該外国において施政を行う機関がある場合にあっては、当該機関)の同意がある場合に限り実施するものとする。
5 内閣総理大臣は、対応措置の実施に当たり、第四条第一項に規定する基本計画に基づいて、内閣を代表して行政各部を指揮監督する。
6 関係行政機関の長は、前条の目的を達成するため、対応措置の実施に関し、防衛大臣に協力するものとする。

(定義等)
第三条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 諸外国の軍隊等国際社会の平和及び安全を脅かす事態に関し、次のいずれかの国際連合の総会又は安全保障理事会の決議が存在する場合において、当該事態 に対処するための活動を行う外国の軍隊その他これに類する組織(国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律(平成四年法律第七十九号)第三条第一号 に規定する国際連合平和維持活動、同条第二号に規定する国際連携平和安全活動又は同条第三号に規定する人道的な国際救援活動を行うもの及び重要影響事態に 際して我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する法律(平成十一年法律第六十号)第三条第一項第一号に規定する合衆国軍隊等を除く。)をいう。
イ 当該外国が当該活動を行うことを決定し、要請し、勧告し、又は認める決議
ロ イに掲げるもののほか、当該事態が平和に対する脅威又は平和の破壊であるとの認識を示すとともに、当該事態に関連して国際連合加盟国の取組を求める決議
二 協力支援活動諸外国の軍隊等に対する物品及び役務の提供であって、我が国が実施するものをいう。
三 捜索救助活動諸外国の軍隊等の活動に際して行われた戦闘行為によって遭難した戦闘参加者について、その捜索又は救助を行う活動(救助した者の輸送を含む。)であって、我が国が実施するものをいう。
2 協力支援活動として行う自衛隊に属する物品の提供及び自衛隊による役務の提供(次項後段に規定するものを除く。)は、別表第一に掲げるものとする。
3 捜索救助活動は、自衛隊の部隊等(自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第八条に規定する部隊等をいう。以下同じ。)が実施するものとする。この 場合において、捜索救助活動を行う自衛隊の部隊等において、その実施に伴い、当該活動に相当する活動を行う諸外国の軍隊等の部隊に対して協力支援活動とし て行う自衛隊に属する物品の提供及び自衛隊による役務の提供は、別表第二に掲げるものとする。