現在自主運営を続ける大阪人権博物館(リバティおおさか)。市は私有地の無償貸与を打ち切り、土地の明け渡しを求めて提訴している。(大阪市浪速区で撮影・栗原佳子/新聞うずみ火)

現在自主運営を続ける大阪人権博物館(リバティおおさか)。市は私有地の無償貸与を打ち切り、土地の明け渡しを求めて提訴している。(大阪市浪速区で撮影・栗原佳子/新聞うずみ火)

◆全国初の人権に特化した博物館の危機

大阪市浪速区の大阪人権博物館(リバティおおさか)が市有地の無償貸与を打ち切られ、退去を求められた問題は裁判に発展した。大阪市は運営する財団法人を相手取り、土地の明け渡しを求めて提訴、10月2日に大阪地裁で第1回口頭弁論が行われた。

リバティおおさかは1985年、府や市などが出資する財団法人が設立。全国初、かつ唯一の人権に特化した博物館として、約3万点の資料を有し、学習や啓発の場に活用されてきた。

しかし2008年に府知事に就任した橋下大阪市長が「展示が難しい」などとリニューアルを要求、同時に補助金も削減した。その後、橋下氏の意向に沿 うかたちでリニューアルされたが、今度は「いつもの差別と人権のオンパレード」などと一蹴、補助金も12年度で全廃した。さらに市有地の無償貸与を見直 し、賃料など年間3400万円を要求、リバティおおさか側は減免を求めたが、市は今年3月いっぱいで無償貸与を打ち切り、「不法占拠」だとして提訴に踏み 切った。

初弁論では、リバティおおさかの石橋武理事長が被告側として異例の意見陳述を行った。石橋理事長は、部落差別撤廃と教育向上の強い願いを込めて地元 の人たちが寄付したという、リバティおおさかが建つ土地の歴史的経緯を説明、「大阪市の提訴は法人の解散と博物館の廃館を意図したものであり、大阪市自身 が人権行政を踏みにじっている。この裁判で問われているのは被告の当法人ではなく、原告の大阪市である」と訴えた。【栗原佳子 新聞うずみ火】