兵庫県尼崎市で107人が亡くなり、562人が負傷した2005年4月のJR福知山線脱線事故の現場で、電車が衝突したマンションの一部撤去と周辺の整備 工事が1月7日から始まった。現地には、現状のままでの保存を求める遺族らが「事故現場で破壊をやめて下さい」という横断幕を掲げ、無言の抗議を行ってい る。 (矢野 宏/新聞うずみ火)

2005年JR福知山線脱線事故が起きた現場のマンション。死傷者は600人を超える大惨事となった。(尼崎市で1月撮影:矢野宏)

2005年JR福知山線脱線事故が起きた現場のマンション。死傷者は600人を超える大惨事となった。(尼崎市で1月撮影:矢野宏)

 

事故は、死亡した運転士のブレーキ操作が遅れ、制限時速70キロのカーブに減速しないまま、時速116キロで進入して脱線。そのまま9階建てのマンションに激突したことが直接の原因だった。

運転士のブレーキ操作が遅れた原因として、国土交通省の事故調査委員会は、懲罰的な「日勤教育」やおろそかにされてきた安全対策など、JR西日本の企業体質を問題視した。だが、歴代3社長をはじめ、会社幹部は誰も刑事責任を問われていない。

事故後、現場マンションは、JR西日本が周辺の敷地を含めて買い取り、現在は誰も住んでいない。一両目が突っ込んだ地下駐車場や二両目が張り付くようにぶつかった1,2階の壁には衝突痕が残っている。

現場の整備については、遺族や負傷者の中で「保存」や「撤去」を求める声があり、JR西日本はアンケートなどで意見を聞き、昨年3月に整備計画を決めた。

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